第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

電気生理学・不整脈

ポスター (II-P24)
電気生理学・不整脈 2

2017年7月8日(土) 18:15 〜 19:15 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:青木 寿明(大阪母子医療センター 小児循環器科)

18:15 〜 19:15

[II-P24-10] Variability Ratioを用いた周産期プロフィールの推測

長谷 有紗1, 内田 英利1, 江竜 喜彦1, 吉永 正夫2, 畑 忠善3 (1.藤田保健衛生大学 医学部 小児科, 2.鹿児島医療センター 小児科, 3.藤田保健衛生大学 大学院 保健学研究科)

キーワード:Variability Ratio, 在胎週数, 生後1ヶ月

【背景】心筋再分極変動比率であるVariability Ratio(VR)は催不整脈性の評価に臨床応用されている。我々はこれまでに健常児童のVRは発育に伴う心臓自律神経制御の成熟度を反映する可能性を示してきた。【目的】生後1ヵ月児の心電図から得たVRは在胎週数、出生体重等の周産期プロフィールと関連するという仮説を検証する。【対象】当大学病院で出生し、生後1ヵ月時の心電図記録を行なえた心疾患を有さない244名(男女比143/101、平均在胎週数38.6±1.7)を対象に、米国産婦人科学会分類を用いて早産29名、後期早産106名、正期産95名、過期産14名の4群に分け比較検討を行なった。【方法】CM5記録からRR、QT、補正QT時間(Bazett、Fridericia)を算出し各平均値と標準偏差を求めた。VR値はVRI(SDQT/SDRR), VRII(SDQT/rMSSD), VRIII-B(SDQTc Bazett/SDRR), VRIII-F(SDQTc Fridericia/SDRR), VRIV-B(SDQTc Bazett/rMSSD), VRIV-F(SDQTc Fridericia/rMSSD)の6項目を求め、在胎週数、出生時体重、Small for gestational age(SGA)について4群間で比較検定した。【結果】補正式を用いたVRIII-BとVRIII-F値は4群の各群間に有意差を示した。一方、SGAの有無は各群のVR値に影響を与えなかった。【考案】RR間隔の変動と心筋再分極時間QTの変動比率には自律神経系ないし心筋細胞の成熟が影響し、時間的な因子である在胎週数がVRと有意な関係を持つと考えた。【結論】生後1ヵ月時のVRIII-B/Fは児の周産期プロフィールを反映する事が示された。