The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

心不全・心移植

Poster (II-P25)

Sat. Jul 8, 2017 6:15 PM - 7:15 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Kiyoshi Ogawa(Saitama Children's Medical Center)

6:15 PM - 7:15 PM

[II-P25-07] 当院で経験した乳幼児期発症の拡張型心筋症の予後

小柳 喬幸, 戸田 紘一, 小島 拓朗, 葭葉 茂樹, 小林 俊樹, 住友 直方 (埼玉医科大学 国際医療センター 小児心臓科)

Keywords:拡張型心筋症, 心不全, 予後

【背景】小児期拡張型心筋症(以下DCM)の発症1年以内の死亡・心移植率は約20-30%で、発症年齢2歳以上が予後不良とされる。【目的及び方法】2007年以降に当院で拡張型心筋症と診断した6例の乳幼児症例(男児2例、女児4例、平均16.8±16.2か月)につきその予後、経過を後方視的に検討した。【結果】合併症を認めない特発性DCMは5例(男児2例、女児3例)で、発症時の平均LVEF16±4.3%、平均BNP4278±3817pg/ml。2例が心不全死し、2例が心臓移植を実施(渡航移植1例、国内移植1例)、1例は現在発症6か月で挿管管理を経て内服加療に移行し外来経過観察中である。左室心筋緻密化障害を伴う重症心不全例が1例で、EXCORを装着し現在移植待機中である。予後は死亡33%, 移植及び移植待機症例50%であった。死亡/LVAD装着/心臓移植を行った予後不良例5例はいずれも初発時の臨床症状が強く、かつ平均BNP4333pg/mlと高値で、LVIDD z-scoreは経時的に不変もしくは増加していた。一方、退院・外来経過観察となった1例は初発時の心不全症状が比較的軽く、BNPも656pg/mlと相対的に低値で、LVIDD z-scoreは経時的に改善が見られたが、発症時のLVEFは15%で差はなかった。【考察】当院での乳児期発症DCMは早期にVADを含めた重症心不全管理や心臓移植が必要となる例がほとんどで、これまでの報告よりも予後が悪かった。予測は難しいが、発症時の年齢よりも臨床症状の重症度、BNP値、LVIDD z-scoreの改善の有無が予後に関係する傾向があった。【結論】2歳未満のDCMは重症化のリスクが高く、心移植を念頭に置いた対応が必要である。