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[II-P26-02] 心臓カテーテル検査による評価・治療を行った蛋白漏出性胃腸症の転帰
キーワード:Fontan型手術, 蛋白漏出性胃腸症, 心臓カテーテル検査
【背景】蛋白漏出性胃腸症(PLE)は主に単心室治療(UVR)後の遠隔期合併症の一つであるが,、二心室修復(BVR)後の遠隔期にも発症し予後に大きく影響する。中心静脈圧(CVP)の上昇がriskとなるため心臓カテーテル検査(心カテ)により評価・治療を行うことも少なくない。【目的】PLEを発症し、その評価や治療目的に心カテを行った症例の予後を調査すること。【対象・方法】当院開設から2016年12月までの40年間でPLEの評価や治療目的に心カテを行った20例を対象とした。発症年齢、CVP値、カテーテル治療(カテ治療)の有無とその後の転帰について調査した。【結果】PLE寛解の定義は1年以上Alb値が3.0g/dl以上を保ちPLE治療の入院がないこととした。UVR群は13例でFontan型手術を行った年齢は1.5歳(以下全て中央値)、PLE初発年齢は2.8歳、心カテ時の年齢は5.0歳だった。BVR群は7例で、根治術を行った年齢は1.0歳、PLE初発年齢は7.0歳、心カテ時の年齢は11.9歳だった。カテ治療としては狭窄した肺動脈のバルーン拡張やステント留置、体肺側副血行路のコイル塞栓を行い、UVR群でカテ治療を行ったのは6例でCVP=13だった。2例で介入後早期にPLEの寛解を認めた。評価のみの7例はCVP=11で、うち4例に肺血管拡張薬の追加や弁逆流に対する外科的介入を行い、PLEの寛解を認めた。BVR群ではカテ治療を行ったのは4例でCVP=10だった。3例にPLEの改善を認めた。評価のみの3例はCVP=16で、うち2例に薬物療法の追加や外科的介入を行いPLEの寛解を認めた。死亡例はUVR群で1例認めた。【まとめ】PLE発症例では、カテーテル検査を中心に血行動態を評価し、内科的治療の強化のほか外科的介入、カテ治療積極的に導入することが重要と思われ、5/10例において著明な改善ないし寛解が得られた。