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[II-P27-02] ファロー四徴症術後肺動脈弁置換術例における他弁病変の検討
Keywords:ファロー四徴症, 肺動脈弁置換術, 三尖弁閉鎖不全
【目的】ファロー四徴症(TOF)術後遠隔期において肺動脈弁閉鎖不全が問題となるが、大動脈弁閉鎖不(AR)や三尖弁閉鎖不全(TR)等他弁病変を合併することも多い。TOF術後に肺動脈弁置換術(PVR)を施行した症例での他弁病変について検討した。【方法】対象は2016年12月までにTOF術後遠隔期(手術施行時年齢:15歳以上)にPVRを施行した57例。心内修復術施行時年齢は5.5±6.3歳。平均観察期間は5.0±4.6年。【結果】PVR時年齢は平均30.8±9.9歳。手術、遠隔期死亡なし。1.大動脈弁:大動脈弁に対する手術介入は、大動脈弁置換術:4例、ベントール手術:2例。大動脈弁置換術を施行した6例を除く51例の遠隔期心臓エコー検査では左室拡張末期径43.9±5.1mm(術前:43.4mm)、左室駆出率64.4±8.7%(術前:62.5%)と左室機能は保たれていた。遠隔期ARはmildが15例(術前:10例)に認められた。2.僧帽弁:2例にのみ僧帽弁形成術施行。遠隔期において全例僧帽弁閉鎖不全はmild以下であるが、mild例が術前5例から遠隔期10例へと増加していた。3.三尖弁:moderate以上のTRに対して三尖弁形成術を10例に人工弁機能不全に対して再三尖弁置換術を1例に行った。遠隔期におけるmild以上のTRは、18例に認められた。10例の三尖弁形成術後のTRは1.9±1.1(術前3.4±0.5)と有意に減少していたが、術後肝機能検査において三尖弁形成術あり(T群)となし(N群)で比較すると、IV型コラーゲン(ng/ml)(T群:191 vs N群:126)は高値であり、コリンエステラーゼ(T群:221vs N群:316)、血小板数(T群:14.9万 vs N群:21.0万)と低値であった。【結語】TOF術後遠隔期においてPVRのみでなく他弁に治療介入する症例も多く認められた。左心系の弁逆流は少しずつ増加していく傾向もあり注意を要する。TRは形成術により有意に逆流は減少するが、術後肝機能の改善があまり認められず、手術介入時期を早期に考慮する必要があると思われた。