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[II-P27-05] 心室分割術後遠隔期の血行動態とQOLについての検討
Keywords:心室分割術, 左室性単心室, 遠隔期QOL
(背景)単心室に対する機能的根治術としてはFontan型手術(F手術)が一般的である。しかし、F手術後遠隔期には高中心静脈圧などに伴う様々な問題が現れることが知られている。左室性単心室に対してはF手術以外に、心室分割術(SEP)が選択されることがある。しかし、適応となる形態を示す症例が多くないことや、その手術リスクの高さなどから術後遠隔期の血行動態やQOLについての知見は乏しい。(目的)SEP術遠隔期患者の血行動態とQOLを明らかにすること。(対象)1971年から2000年の間に当施設においてSEPを施行された左室性単心室患者32人の中で、術後20年以上の経過が確認できた10人(男8、女2)。(方法)診療録をもとに血行動態および生活状況などを明らかにすること。(結果)手術時年齢5.2歳(1.8~24.8)、術後経過年数29年(20~30)。評価時年齢33歳(27~55)。7人に遠隔期の心カテ施行。カテ時年齢は33歳(25~52)。1人は既婚で帝王切開にて挙児。7人が就業、3人が無職。NYHAは1:4人,2:4人,3:2人。CTR59%(47~83)、BNP139pg/ml(30~713)、ペースメーカーは5人が使用。心カテ施行例においてRVEDVは79ml/m2(55~223)、RVEFは54%(51~59)。CVPは9mmHg(6~16)、CIは2.3L/min/m2(1.7~3.2)。右側房室弁逆流は6人がmoderate以上で1人に右房室弁置換、2人にTAPが施行。3人が心房頻拍のablation施行。1人がCRT施行。データは中央値(最小~最高)で示す。(考察,結語)SEP後遠隔期のNYHAは比較的良好で有職者が多かった。QOL低下の原因は心房頻拍と右心不全が多かった。右室容積が小さく右側房室弁逆流が高度であることが血行動態的問題点であった。