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[II-P28-03] 右室圧負荷ラットモデルにおける2D-speckle trackingの線維化評価への有用性
Keywords:右室圧負荷, 線維化, 2D-speckle tracking
【目的】肺動脈絞扼術後、肺動脈狭窄症などの右室圧負荷を来す病態では、非代償期に右室肥大から右室線維化へと進展する。線維化は不可逆性変化であり、線維化が進行する前に右室圧負荷を解除する必要がある。この右室線維化を予測する方法を検討した。【方法】150-200g SDラットに対して肺動脈絞扼術を施行し、右室圧負荷モデルを作成した。術後、心臓超音波検査の2D-speckle trackingを右室に対して用い、global strainを右室自由壁、心室中隔に分けて算出した。右室の線維化はMasson trichrome染色を用いて評価し、右室自由壁と心室中隔に分けて線維化率を計算した。このglobal strain値と線維化率との相関を検討した。【結果】肺動脈絞扼術後ラットの心臓線維化は、心室中隔に比べて右室自由壁でより顕著だった。右室自由壁の線維化は、心尖部側と心基部側とで差異はなく、自由壁全体から開始し進行した。右室自由壁のlongitudinal strainの低下は、右室自由壁の線維化率の上昇と相関し、右室ejection fraction(EF)低下より早期に出現した。【考察】同程度の右室圧負荷でも、右室線維化の程度や出現時期は異なる。右室EFが保たれていても、既に右室の病的線維化は進行しているため、線維化の早期診断をすることは困難である。2D-speckle trackingは右室自由壁と心室中隔を分けて計測することが出来るため、右室自由壁の線維化がlongitudinal strain低下として反映されると考えられる。【結論】右室自由壁のlongitudinal strainは、右室線維化の指標として有用である可能性がある。