8:30 AM - 10:00 AM
[II-PD4-02] Comprehensive management of right isomerism syndrome based on our ten years' experience
Keywords:無脾症, 単心室, 外科的治療
【背景】2005年以降積極的volume reduction、房室弁形成, TAPVCに対するprimary suturelessを軸とした手術方針を実践してきた。【目的】無脾症候群の包括的管理の戦略を立てる。【方法】2005年以降の無脾症単心室連続42例を後方視的に検討し、(1)死亡危険因子解析、(2)生存例の問題点列挙を行った。【結果】死亡症例は10例(グレン前8例、グレン後2例)であった。死因は心不全3例、肺膿瘍1例、不整脈1例、PVO1例、脳出血1例、血球貪食症候群1例、突然死2例。グレン手術は33例(78.6%)、フォンタン手術は16例(38.1%),(fenestration 14例)に行った。死亡の危険因子として新生児期AVVR手術がオッズ比18.6(p=0.008)と有意であった。治療時期2011年以後がそれ以前に比しオッズ比 0.23 (p=0.06)で有意差はないものの改善傾向にあった。2011年前後の症例比較ではバンディング径やシャント径にかわりなはいもののグレン手術前の肺血管抵抗がそれぞれ3.0±1.9, 1.6±0.6 (p=0003)で有意に低下していた。生存患者の合併症として房室弁逆流増悪14例、アブレーション2例、PVO介入7例、消化器合併症手術7例(食道閉鎖1例、腸回転異常1例、食道ヘルニア/胃食道逆流手術5例、Hirschsprung病1例)、胸壁膿瘍1例、脳出血1例、脳炎1例があった。フォンタン手術後患者の術後状態としてはSpO2 92%(79-99%)、CVP 14.5mmHg(12-19mmHg)、EF 48.9%(24.9-63%)、内服薬は7剤(4-13剤)であった。PLE 2例を含めた心不全入院が3例あった。【考察】生直後からの高度房室弁逆流は救命困難であるがTAPVCや中等度以下AVVRは救命可能である。後半期で改善傾向を認めた原因としてより無脾症で想定される合併症によりきめ細かく観察し早期対応できた可能性を考えた。【結論】基本的な手術方針に加えて個々の患者に関して無脾症で起こりうるすべての合併症を常に念頭に置き厳重に管理する必要がある。