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[II-S06-02] The road from APC to TCPC: the history of Fontan procedure
Keywords:TCPC, 術後合併症, Fontan failure
Fontan手術は肺循環における駆出心室が欠如する特殊な循環動態を構築する機能的根治手術であり、より良いFontan循環を求めて術式の改良や手術適応基準の見直しが行われてきた。術式としては1971年のFontan原法の報告以来、1980年代までは心房肺動脈連結法(APC法)、1990年代以降は大静脈肺動脈連結法(TCPC法)が主流となった。TCPC法としては側方トンネル法(LT法,1988)が先行し、次いで心外導管法(EC法,1990)が導入された。両者の優劣については多くの論争があったが、現在はEC法が主流となっている。手術適応については、1980年代まではFontanの十戒にみられるように厳しい制限がかけられてきたが、Fontan循環動態の解明とともに、TCPC法の導入やGlenn手術を先行させる段階的Fontan手術の普及により、手術適応基準の拡大や手術時期の低年齢化が行われてきた。一方、Fontan 手術の長期生存率が改善し術後遠隔成績の報告が増加するとともに、Fontan循環特有の術後合併症あるいは続発症が明らかになってきた。術後遠隔期合併症としてはFontan循環に伴ううっ血性心不全のみならず,不整脈、蛋白漏出性腸症、血栓塞栓症、低酸素血症、肝合併症、心室機能不全などが報告されている。Fontan患児の多くが成年期を向かえつつある現在、術後続発症に伴うFailing Fontanの発生とその治療は今後の大きな課題となろう。