Symposium 6 (II-S06)
Treatment strategy for failed Fontan

[II-S06-06] Mechanical Circulatory support and heart transplantation for failed Fontan patients

^○Mikiko Ishido-Shimizu (Department of Pediatric Cardiology, Tokyo Women's Medical University)

Keywords:機械的補助, 心臓移植, failed Fontan

はじめに単心室血行動態患者のFontan型手術到達率は飛躍的に改善し、現在は、Fontan特有の合併症や長期予後の改善が課題となっている。頻回の入院を要する心不全患者も少なくなく、心臓移植(HTx)適応と考えられる症例も散見される。肝腎機能障害、凝固能異常、高度の癒着、側副血管等の問題があり、Fontan術後のHTxは、周術期リスクが高いことが知られている。待機期間の長い日本では、今後、機械的補助(MCS)を含めた心不全治療の確立が求められる。この2年位で、Fontanに対するMCSのシミュレーションや症例報告が散見される様になっている。海外の経験や、文献的な考察を加え概説する。MCSfailed Fontanと言われる患者の中には、肺循環に問題のある症例と、体心室の機能不全症例がある。機械的補助を考える上でも、どこを補助するかで補助方法も異なる。体心室機能不全症例には、EXCOR、Heart Ware、Total Artificial Heartが用いられた報告が散見される。体心室右室例では、肉柱形成のためカニュレーション位置や抗凝固の面で工夫が必要と考えられる。肺循環の補助には、経静脈的に挿入可能なImpellaの挿入が試みられている。長期補助が可能なデバイスの開発が待たれる。HTxFontan術後のHTxの成績は経年的に改善している。出血、graft dysfunction、拒絶による周術期死亡を防ぐために、術前後の管理に慣れる必要がある。特に術前に心機能が保たれている症例のリスクが高い。体肺シャントを術前に詰めておくことで、出血、術後の容量負荷を軽減できる。また、オーバーサイズハートを選ぶようにする、術前にCT/MRIで形態評価を行うことで手術リスクを低減できる。まとめ近年のMCSの発達やHTx周術期管理の改善により、Fotnan術後患者の心不全管理の選択肢が増えつつある。HTx適応検討の時期、MCS導入の時期や補助方法等、今後、評価方法・治療戦略の確立が待たれる。