16:30 〜 18:00
[II-S07-06] チーム医療の観点から見た集中治療のエッセンス
キーワード:チーム, ノンテクニカルスキル, 集中治療
チームとは「ゴールを共有し、それを達成すべく相互に作用し合いながら活動する複数の人間の集団」と定義できる。ゴールはごく短時的なものから長期的なものまでさまざまなスパンで設定されるが、現代の医療現場で何らかのチームとして患者に関与しない場面はほぼ皆無であろう。医療現場では個々のメンバーは職種を問わずスペシャリストであり、各々は日々の研鑽によってプロフェッショナルとしてのスキルを磨くことが求められているが、それは一朝一夕に伸びるものではない。すると、医療チームが共有するゴールを最も効果的に達成するためには、メンバー同士がその時点で備えるスキルをお互いに最大限に引き出し合えるような関わりを構築することが有効である。このような関わりを醸成する技法を、従来のスキルと区別してノンテクニカルスキルと呼ぶ。
一方、時とともに知識が一方向性に増大してゆくのは科学の宿命である。医学もその例外ではなく、現代の医療においてはどの臓器系領域も細分化が進んでおり、かつてのように一人の主治医がすべての領域の知識を網羅的に構造化して、適切に判断することは極めて難しくなっている。また、人体はそもそも多くのシステムが相互連関した複雑系であり、医学の進歩とともに以前にもまして複雑な背景を抱える患者が増加し、いきおい個々の患者への評価・介入も複雑なものとなっている。その結果、必然的に各臓器系の専門領域の知識を有機的に統合する専門家が必要となる。
集中治療医は複雑系たる急性期医療の中で、臓器不全管理という切り口で領域横断的に関与する。そのため、集中治療医は自らのスキルや状況を客観的に認識しながら、特定の領域に留まらず、様々な領域に同等の関心を向けることが望まれる。この「謙虚な好奇心」に根差したノンテクニカルスキルこそ、チーム医療としての集中治療のエッセンスであると言っても過言ではない。
一方、時とともに知識が一方向性に増大してゆくのは科学の宿命である。医学もその例外ではなく、現代の医療においてはどの臓器系領域も細分化が進んでおり、かつてのように一人の主治医がすべての領域の知識を網羅的に構造化して、適切に判断することは極めて難しくなっている。また、人体はそもそも多くのシステムが相互連関した複雑系であり、医学の進歩とともに以前にもまして複雑な背景を抱える患者が増加し、いきおい個々の患者への評価・介入も複雑なものとなっている。その結果、必然的に各臓器系の専門領域の知識を有機的に統合する専門家が必要となる。
集中治療医は複雑系たる急性期医療の中で、臓器不全管理という切り口で領域横断的に関与する。そのため、集中治療医は自らのスキルや状況を客観的に認識しながら、特定の領域に留まらず、様々な領域に同等の関心を向けることが望まれる。この「謙虚な好奇心」に根差したノンテクニカルスキルこそ、チーム医療としての集中治療のエッセンスであると言っても過言ではない。