The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Symposium

Symposium 8 (II-S08)

Sat. Jul 8, 2017 4:30 PM - 6:00 PM ROOM 4 (Exhibition and Event Hall Room 4)

Chair:Shigetoyo Kogaki(大阪大学小児科)
Chair:Hiroyuki Yamagishi(慶應義塾大学小児科)

4:30 PM - 6:00 PM

[II-S08-03] Recent research progress in cardiac development and hypertrophic cardiomyopathy using iPSC technology

Hidekazu Ishida1, Shigetoyo Kogaki1, Jun Narita1, Kunihiko Takahashi2, Nobutoshi Nawa1, Kenta Yashiro3, Keiichi Ozono1 (1.Department of Pediatrics, Osaka University Graduate School of Medicine, Osaka, Japan, 2.Pediatric Cardiology, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health, Osaka, Japan, 3.Department of Cardiac Regeneration, Osaka University Graduate School of Medicine)

Keywords:iPS細胞, 心筋分化, 肥大型心筋症

2007年のヒトiPS細胞の開発以降、疾患特異的iPS細胞を用いた病態解明やドラッグスクリーニングへの応用が期待されている。これまでの研究により、ヒトiPS細胞を自己拍動する心筋細胞へ分化誘導する手法についてはほぼ確立されており、purification stepを組み合わせることで、高い純度で心筋細胞を得ることが可能である。しかし、iPS細胞を用いた心筋細胞研究においては、1) 先天性心疾患など心形態異常に関しては解析が困難である、2) 通常得られた心筋細胞は成熟(生後)心筋ではなく胎児心筋に近い、3) 心室筋だけでなく心房筋や刺激伝導系心筋も混在する、4) クローン間、患者間、研究室間でのばらつきが大きい(いわゆるnaive stateが普遍的に確立されていない)、等の問題がある。現状で最も解析されているのは、心筋細胞分化過程(多能性幹細胞→臓側中胚葉細胞→心筋前駆細胞→心筋細胞)を制御するシグナル解析や、QT延長症候群などチャネル異常疾患の病態解明、さらに遺伝子変異を伴った肥大型心筋症の発症機序解明などである。本シンポジウムでは、iPS細胞を用いた心筋分化研究や肥大型心筋症の病態研究について、これまでの研究成果を概説し、我々が行ってきたNoonan/LEOPARD症候群における肥大型心筋症の病態解明も含めて、iPS細胞を用いた心筋細胞研究の現状から今後の展望と課題についてお話しさせて頂きたい。