4:30 PM - 6:00 PM
[II-S08-05] Current status and future perspective - clinical trial of CDC regenerative therapy and research of iPS cell in congenital heart disease
Keywords:再生医療, 幹細胞, 単心室症
【目的】先天性心疾患に対する心筋再生医療の現状と可能性について述べる。【方法】【成績】2003年にOhらがマウスで心筋幹細胞の存在を報告し、2007年臨床応用が可能な心筋幹細胞培養できることが示されcardiosphere derived cells (CDCs)と名付けられた2011年左心低形成症候群を対象とした14症例に自己心臓内幹細胞を用いた第1相臨床研究(TICAP trial)を実施し18ヶ月経過観察を終了し報告した。心房からの心臓組織から心臓内幹細胞を分離培養し、心筋幹細胞の選択的冠動脈内注入を実施、幹細胞移植群7症例ので冠動脈注入が安全に問題なかった。18ヶ月時点ではUCGによる右室駆出率は+7.1±5.4%の機能改善が確認でき、幹細胞移植群では心不全スコアの著明な軽減が得られ、血漿BNP値の低下も認めた。身体発育度に関して移植群においても有意な成長促進が観察されたTICAP trialの後に2013年、適応を機能的単心室症にまで拡大して34症例数でランダマイズ化第2相臨床研究(PERSEUS trial)を開始した。全34症例の幹細胞移植後1年間に及ぶ観察を行い良好な心機能改善を確認している。さらには多施設共同での第3相臨床研究(APOLLON trial)が2016年5月から登録開始している。また研究においてはHLHS特異的iPS細胞を樹立し心筋分化誘導を行い解析した結果、各種心臓転写因子群の発現低下とヒストン修飾変化によるNKX2-5プロモーター活性低下を認め、中でもNKX2-5、HAND1、NOTCH1が病態発生に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。【結論】再生医療が注目される背景の一つには、現在の治療方法では治癒できない重症疾患に対する新たな治療法として有望視されており、この心筋幹細胞を用いた小児での心筋再生医療の臨床応用を目指している。