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[II-S09-04] 小児及び先天性心疾患のペーシングデバイス治療における遠隔モニタリングの有用性と問題点
キーワード:遠隔モニタリング, ペーシング治療, 先天性心疾患
【背景】近年、ペーシングデバイス管理において遠隔モニタリング(RMS)が導入されているが、小児や先天性心疾患(CHD)におけるRMSの報告は未だ少ない。【目的】小児/ CHDにおけるRMS導入例の有用性と問題点を検討する事。【方法】対象は当院でRMSを導入された159例(年齢中央値35歳: 2-76歳、心外膜リード38例、CHD 125例を含む)。RMS割合は、BIOTRONIKS社50%、 MEDTRONIC社23%、SJM社23%、Boston社4%。対象をペースメーカ(PM)群79例、両心室ペーシング(CRT-P)群11例、植え込み型除細動群(ICD)群50例、CRT機能付きICD(CRT-D)群15例に分類し、各群で重要なアラートの内容と対処、問題点について検討した。【成績】今までに200以上のアラートが届いているが、中でも重要なアラートを21アラート/17例に認めた。アラート内訳は、PM群:リード不全 2(心外膜リード1)、CRT-P群:心室頻拍 2、ICD群:VT/VF治療10, リードノイズ1、CRT-D群:VT/VF治療4, 早期電池消耗1 , 左室ペーシング率低下1。重要なアラートの40%は無症状であった。また、RMSデータからICD/CRT-DのICD作動の約30%は不適切作動と判断した。無症候であったアラートを含め重要なアラートに対しては設定変更、薬物調整、リード追加、アブレーションなどの早期対応が可能であった。一方、メーカー間のアラート基準の相違、RMSのコスト面、RMSでのアラートに引っかからないペーシング不全やICD作動も存在する、ハッキングの可能性など注意すべき問題や課題もある。【結論】小児/CHDのペーシングデバイス管理におけるRMSは、注意点や課題もあるが、リード不全やICD不適切作動への早期発見と対応に有用である。