10:10 〜 11:40
[II-S09-06] テレメトリー式心電送信機durantaを用いた心電図モニターが有用であった2例
キーワード:発作性上室頻拍, 不整脈モニタリング, 心電図遠隔電送システム
【背景】動悸を主訴として受診されても診断に結びつく心電図がなかなか記録できず疑い病名が残る場合がある。本人が動悸を自覚したその時の心電図が確実に記録できれば診断率は飛躍的に向上する。テレメトリー式心電送信機durantaは心電図遠隔電送システムであり、主に一人暮らしの高齢者のモニタリングに用いられているが、不整脈の検出、記録などでの活用も期待されている。今回、このテレメトリー式心電送信機が不整脈の確認に役立った症例を2例経験したので報告する。【症例1】10歳男児。動悸を主訴に受診。動悸は運動誘発性のものではなく、持続時間は5分程度で治る。他院でホルター心電図、トレッドミル心電図を施行したが動悸の原因となる不整脈は確認できず、症状から発作性上室頻拍(PSVT)疑いと診断されフォローされていた。その後も動悸を認めるがPSVTは確認できず当院に紹介となった。当院での安静時心電図は洞調律のHR60 Δ波は確認できなかった。durantaを2週間貸し出したところ、動悸があった時間の心電図でPSVTが確認できた。【症例2】14歳男児。脳卒中に起因する片麻痺を契機に発見されたベラパミル感受性心室頻拍、頻脈誘発性拡張型心筋症。カテーテルアブレーションを施行したが持続性心室頻拍が残存し、抗不整脈薬を内服のうえ退院となった。退院後のモニタリング目的でdurantaを貸し出し。動悸、疲労時に一致して持続性心室頻拍が発生していることが確認できた。【考案】durantaの使用方法は極めて簡単で、装置を胸部中心胸骨上に貼り付けるだけで装着している間の心電図波形が遠隔サーバーに保存される。また、iPhone用心電図閲覧アプリを併用すれば装着中の心電図をリアルタイムに確認できる。本装置の普及は、診断が確定せず疑い病名が残りがちな発作性の不整脈の診断向上に寄与すると思われる。また危険な不整脈の患者のホームモニタリングにも極めて有用な装置と思われる。