The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral(multiple job category)

家族支援

Free Paper Oral(multiple job category)1 (II-TRO1)

Sat. Jul 8, 2017 1:50 PM - 2:50 PM ROOM 2 (Exhibition and Event Hall Room 2)

Chair:Yayoi Munemura(Yamanashi Prefectural University, Faculty of Nursing)

1:50 PM - 2:50 PM

[II-TRO1-01] A病院ICUにおける小児の家族ケアについての実態調査― ファミリーセンタードケアの観点から ―

犬塚 啓二1, 杉田 司1, 帯刀 英樹2, 潮 みゆき3 (1.九州大学病院 ICU・CCU, 2.九州大学病院 心臓血管外科, 3.九州大学 大学院 保健学部門 看護学分野)

Keywords:ICU, 家族看護, ファミリーセンタードケア

【目的】ファミリーセンタードケア(FCC)とは、「尊厳と尊重」「情報の共有」「参加」「協働」を基礎とした小児家族のケアモデルであり、欧米においては家族ケアの基本であると考えられている。先行研究においても、患児・家族を尊重した看護ケアが実践されるにあたり、FCCの概念の認識は重要であると考えられていた。今回、A病院ICU看護師の小児家族ケアの現状について、FCCの概念に基づき無記名質問形式により調査した。 【方法】A病院ICU看護師を対象とし質問紙(無記名)と本研究の倫理的配慮についての説明同意文書を配布。質問紙の提出をもって本研究への同意を得るものとした。質問紙には基本的属性のほか、FCCの概念の基礎である「尊厳と尊重」「情報の共有」「参加」「協働」から抽出された具体的家族ケア内容(例:家族の認識、見解の傾聴)についての質問25項目を設定。各項目で、1.全くできていない~7.非常によくできている、の7段階の選択肢を設けた。質問紙の結果を統計処理した。【結果】FCC概念の基礎別に見ると「参加」「協働」に関する項目の平均値が他に比べ低かった。項目別では「社会資源の提供」「家族間での情報共有」「病院内での継続的なサポートシステム」において点数が低かった。また、看護師経験年数では全体の得点が4年目以上に比べ1~3年目のほうが有意に低値であった。 【考察】 「参加」「協働」に関して低得点となっており、今後の課題となった。さらに、項目別では「ICU退室後や退院後の環境やサポートシステムなどの情報提供」について点数が低かったことから、集中治療期だけでなく長期的なことについての状況把握と情報提供の必要性が考えられた。また、特に1~3年目スタッフを中心に同概念を啓発してくことは効果的である可能性が示唆された。 【結論】A病院ICUの小児家族に対する看護実践の現状について、FCCの観点からその充足点と不足点が明らかとなった。