The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral(multiple job category)

家族支援

Free Paper Oral(multiple job category)1 (II-TRO1)

Sat. Jul 8, 2017 1:50 PM - 2:50 PM ROOM 2 (Exhibition and Event Hall Room 2)

Chair:Yayoi Munemura(Yamanashi Prefectural University, Faculty of Nursing)

1:50 PM - 2:50 PM

[II-TRO1-06] 小学校生活で先天性心疾患の子どもが自立していくための母親の関わり

宗川 一慶 (榊原記念病院 看護部)

Keywords:小学校生活, 母親, 関わり

【目的】小学生の先天性心疾患の子どもをもつ母親が、子どもやその周囲の人と関わる中で疾患管理をどのように捉えて関わってきたかを明らかにし、子どもの疾患管理を行う母親への支援内容を検討する。【研究方法】先天性心疾患の子どもをもつ母親に半構成的インタビュー調査を行い、質的帰納的に分析を行った。【倫理的配慮】所属機関の倫理審査で承認を得た。【結果】4名の母親にインタビューを実施した。分析の結果、母親の〔関わり〕が3つ明らかになった。まず、学校行事などの未体験な出来事に対して子どもの管理を学校に託す不安を感じ、その不安に働きかけ、教員へ心強さを感じるに至る、子どもの〔集団生活での特別な位置づけ〕を行っていた。この働きかけの中で、母親は患者会や医療者からの判断の後押しを得たり、学校や子どもに集団生活での理解の促しを試んでいた。次に、子どもが体調を考えずに運動や遊びなどを行うといった自制できない欲求に対して母親は不安を感じ、〔他者との違いを自覚させる試み〕を行う一方で、自制できない子どもへの譲歩を示していた。この欲求には友人との仲間意識が影響していると考えられた。最後に、疾患によって将来生じうる影響に関して、子どもに説明することを避けていた状況から、〔疾患の影響の説明〕を決意する過程が明らかになった。この中で、子どもの発言が説明する決意に大きな影響を与えていた。【考察】集団生活での特別な位置づけの過程で、母親が学校側に子どもの管理内容を上手く伝達できないことがあった。それには医療者の指導などの内容が曖昧であることや、母親の外来診察の場で日常生活に関する質問のしづらさ、さらに、母親の子どもの発達に合った疾患管理の説明や対処が上手く行えないことが考えられた。以上から、看護師には母親と医師・教員との意見や対応の調整役、そして母親への子どもの疾患教育の基盤を支援していく必要があると考えられた。