第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演(多領域専門職部門)

周手術期・遠隔期

一般口演(多領域専門職部門) 2 (II-TRO2)
周手術期・遠隔期

2017年7月8日(土) 14:50 〜 15:50 第2会場 (1F 展示イベントホール Room 2)

座長:三浦 稚郁子(日本心臓血圧研究振興会榊原記念病院 看護部)

14:50 〜 15:50

[II-TRO2-02] 周手術期およびCCUにおける鼻周囲に生じた医療機器関連圧迫創傷予防ケアの有効性

川上 沙織, 朝比奈 礼乃, 中村 雅恵 (静岡県立こども病院 循環器集中治療室(CCU))

キーワード:ICU, 経鼻MDRPU, 予防ケア

【背景】 循環器集中治療室(以下CCUと称す)は、挿管による鼻周囲の医療機器圧迫創傷(以下MDRPUと称す)が頻発している。そこで、創傷被覆材の変更とケアの見直しを行いそのケアの有効性を明らかにしたので報告する。【目的】 鼻周囲に生じたMDRPU予防ケアの有効性を明らかにする。【研究方法】対象:H 27年~H 28年に入室し経鼻MDRPUを発生した患者方法:カルテより後方視的に調査した予防ケア:A群 OPE室から医療用保護テープを鼻周囲に貼付。B群 入室時に医療用保護テープから創傷被覆材へ変更し鼻周囲に貼付。C群 OPE室から創傷被覆材を鼻周囲に貼付。D群 入室後1日目で創傷被覆材張替え、長期挿管者は1回/週固定テープ張替を施行。どの群も挿管チューブは鼻下側から医療用テープで貼付固定した。倫理的配慮:倫理委員会に研究内容を提出、承認を得た。【結果】MDRPU発生人数はA群160人中23人、B群148人中18人、C群63人中4人、D群74人6人で、MDRPU発生率はA群14.375%B群12.195%C群6.347%D群8.33%であった。挿管からMDRPU発生までの平均日数は、A群4.2日、B群35.53日、C群2.5日、D群61日であった。平均挿管期間はA群5.1日、B群38.88日、C群7日、D群:89日であった。リスクアセスメントの個体要因はすべての群に当てはまり有意差はなかった。【考察】発生平均日数は、術後2~4日で生体反応の起こりやすい時期に比例している。鼻腔保護材を創傷被覆材へ変更したが、発生平均日数は術後障害期に最も多く創傷被覆材変更だけではMDRPU 予防には不十分である。しかし、発生率の推移からもわかるように術直後から創傷被覆材を保護目的で使用したことは、機械的刺激となる挿管チューブ圧迫の刺激から皮膚を保護することに繋がった。そのため、MDRPU発生率は抑えられ予防ケアを行う点で創傷被覆材使用の有効性はあったといえる。【結論】 1、MDRPU発生時期は術後障害期におきやすい2、創傷被覆材使用でMDRPU発生は予防できる