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[II-TRO4-03] Fontan術後患者のVineland-2適応行動尺度を用いた社会適応の評価
Keywords:Fontan術後, 社会適応, Vineland-2適応行動尺度
【背景】 先天性心疾患の患者の生存率が向上し、患者のQOLへの関心が高まっている。【目的】 Vineland-2適応行動尺度は養育者など対象者を良く知る人物へ半構造化面接を実施し対象者の適応行動を評価する尺度である。Fontan術後患者のQOLの向上、将来的な社会的自立のための支援の一環として実施しているVineland-2適応行動尺度の結果をまとめ、Fontan術後患者の社会適応について考察する。【方法】 対象:A病院で2015年8月~2016年12月にVineland-2適応行動尺度を実施したFontan術後患者延べ56例。平均年齢5.3歳(1~12歳)。 方法:1、2歳(13名)、3、4歳(9名)、5、6歳(17名)、7~12歳(17名)の4群に分け、各標準得点(「適応行動総合点」、「コミュニケーション」、「日常生活スキル」、「社会性」、「運動スキル」)の平均値を算出し、同年齢群(平均100、1SD=15)と結果を比較。尚、本研究は倫理審査委員会の承認を得ている。【結果】 1、2歳、3、4歳では全ての標準得点で標準の範囲内であった。5、6歳では、「適応行動総合点」(平均81.2)、「コミュニケーション」(平均82.8)、「日常生活スキル」(平均82.8)、「運動スキル」(平均82.9)で同年齢群を1SD以上下回っていた。7~12歳では、「適応行動総合点」(平均83.5)、「社会性スキル」(平均83.5)で同年齢群を1SD以上下回っていた。【考察】 Fontan術後患者の適応行動指標は、1~4歳頃までは標準の範囲内であったが、就学前後で全体的に標準よりもやや低めであった。社会適応の状況も含めた評価を踏まえた就学前の相談や介入が望ましいと考えられる。乳幼児期に標準の範囲内であった患者が就学前にどのように成長しているのか縦断的な検討が必要である。そのためにも、定期的な評価とそれに応じたフォローが必要である。