5:10 PM - 6:00 PM
[II-TRO4-04] 移行期に伴う患児・家族の抱える学校生活での問題
Keywords:移行期支援, 先天性心疾患, 学校生活
【はじめに】重症先天性心疾患(CHD)救命率が小児循環器診療の進歩により飛躍的に向上し、CHDの多くが、成人になることが可能となり、継続的な診療の必要性や成長・発達段階に伴い就学や成人期の問題が重要性を増してきた。疾患を抱えながらの生活は、患児・家族にとって先が見えないことが多く、潜在的な不安となる。患児・家族が学校生活で直面した問題から、移行期支援の重要性が示唆されたため、報告する。
【倫理的配慮】発表に関して患児家族の許可をえている。
【症例】中学2年生、男児、Fontan術後、PLE発症、口蓋裂術後。夜間のみ在宅酸素、肺高血圧薬・利尿薬等を内服している。小学校在籍時、発達の遅れを指摘され療養施設にも通ったが、小・中学校では普通級に在籍中である。口蓋裂術後経過は概ね順調だが、発声が思うようにいかず、音楽が苦手である。PLE加療のため、ステロイドを内服中で、浮腫・体重管理に苦渋している。中学入学後、授業についていくのが困難で、勉強や友人関係の問題を抱えた。体調不良時の遅刻・欠席が多く、不登校も経験したが、環境調整により登校を再開できた。母親は食事内容の工夫の他、利尿薬内服時間の工夫により良質な睡眠確保に配慮した。高校受験も控え、患児・家族は移行期の課題と向き合っている。
【考察】CHD術後移行期は、心不全による体調管理と発達・環境の問題が相乗的に本人・家族の負荷となる。成長につれ社会的課題は増加し、本人・家族のみでは対応困難な状況が多々経験される。従って外来受診時には、病状評価に加え、学校生活上の問題についても確認し、必要なサポートを行う必要がある。日常や学校生活での課題克服は、本人の疾患理解と問題解決力と家庭看護力の醸成に繋がり、将来の社会生活・就労への移行に大切な過程である。一般外来での対応は必ずしも容易でなく、外来における適切な移行期支援システム作成が重要と考えられた。
【倫理的配慮】発表に関して患児家族の許可をえている。
【症例】中学2年生、男児、Fontan術後、PLE発症、口蓋裂術後。夜間のみ在宅酸素、肺高血圧薬・利尿薬等を内服している。小学校在籍時、発達の遅れを指摘され療養施設にも通ったが、小・中学校では普通級に在籍中である。口蓋裂術後経過は概ね順調だが、発声が思うようにいかず、音楽が苦手である。PLE加療のため、ステロイドを内服中で、浮腫・体重管理に苦渋している。中学入学後、授業についていくのが困難で、勉強や友人関係の問題を抱えた。体調不良時の遅刻・欠席が多く、不登校も経験したが、環境調整により登校を再開できた。母親は食事内容の工夫の他、利尿薬内服時間の工夫により良質な睡眠確保に配慮した。高校受験も控え、患児・家族は移行期の課題と向き合っている。
【考察】CHD術後移行期は、心不全による体調管理と発達・環境の問題が相乗的に本人・家族の負荷となる。成長につれ社会的課題は増加し、本人・家族のみでは対応困難な状況が多々経験される。従って外来受診時には、病状評価に加え、学校生活上の問題についても確認し、必要なサポートを行う必要がある。日常や学校生活での課題克服は、本人の疾患理解と問題解決力と家庭看護力の醸成に繋がり、将来の社会生活・就労への移行に大切な過程である。一般外来での対応は必ずしも容易でなく、外来における適切な移行期支援システム作成が重要と考えられた。