17:10 〜 18:00
[II-TRO4-05] 当院における成人移行期支援外来での多職種連携の試み
キーワード:移行期, 成人先天性心疾患, 家族看護
【背景】先天性心疾患診療の進歩に伴い、成人期以降も診療継続を必要とする患者は増加している。しかし、本邦の移行支援体制の整備は順調とは言い難い。当院では循環器内科成人先天性心疾患外来が2008年に開設されたが、患者が循環器内科での診療に戸惑い、再び小児科受診を希望する例なども認められる。
【目的】当院小児科における移行期支援外来の現状と課題を検証し、全国的な移行支援実践モデル・教育プログラム開発の一助とする。
【方法】2016年6月から開設した移行期支援外来患者の診療録を後方視的に検討した。
【結果】2014年1月からの1年間に当院小児科循環器外来を受診した総患者数は862名であり、18歳以上は111名(18.9%)であった。15歳以上になった患者は、成人先天性心疾患外来(小児科)を経て、循環器内科へ移行する方針としている。しかし移行準備を進めると、患者が病名や内服薬の内容を理解していないなどの問題点が多いことが明らかとなった。これらの反省より小児科医師2名、外来看護師3名、大学院研究者6名が参画し「成人移行期支援外来」を2016年6月に開設し、2017年1月時点で12名の患者に介入を開始している。外来は、医師および看護師の2名で行い患者と家族を別々に問診する。外来前後には多職種による準備と振り返りを行い、月1回の多職種カンファランスを行うことで客観性や継続性を担保している。家族・本人には、成人移行への意識づけを行うとともに、チェックリストによる医療者側からの一方的な評価を前面に出さず、「患者と家族の話を聴くこと」に焦点をあて、患者の目指す将来に合わせた医療を考えることで概ね好意的な評価を得ている。
【考察】今後は、看護学研究者の評価を受けることで、医療者の教育プログラム開発を目標としている。また、患者の就労支援、地域医療機関へ転医などを支援する社会福祉士の参画も大きな今後の課題であると考えられる。
【目的】当院小児科における移行期支援外来の現状と課題を検証し、全国的な移行支援実践モデル・教育プログラム開発の一助とする。
【方法】2016年6月から開設した移行期支援外来患者の診療録を後方視的に検討した。
【結果】2014年1月からの1年間に当院小児科循環器外来を受診した総患者数は862名であり、18歳以上は111名(18.9%)であった。15歳以上になった患者は、成人先天性心疾患外来(小児科)を経て、循環器内科へ移行する方針としている。しかし移行準備を進めると、患者が病名や内服薬の内容を理解していないなどの問題点が多いことが明らかとなった。これらの反省より小児科医師2名、外来看護師3名、大学院研究者6名が参画し「成人移行期支援外来」を2016年6月に開設し、2017年1月時点で12名の患者に介入を開始している。外来は、医師および看護師の2名で行い患者と家族を別々に問診する。外来前後には多職種による準備と振り返りを行い、月1回の多職種カンファランスを行うことで客観性や継続性を担保している。家族・本人には、成人移行への意識づけを行うとともに、チェックリストによる医療者側からの一方的な評価を前面に出さず、「患者と家族の話を聴くこと」に焦点をあて、患者の目指す将来に合わせた医療を考えることで概ね好意的な評価を得ている。
【考察】今後は、看護学研究者の評価を受けることで、医療者の教育プログラム開発を目標としている。また、患者の就労支援、地域医療機関へ転医などを支援する社会福祉士の参画も大きな今後の課題であると考えられる。