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[II-TRP1-04] 先天性心疾患を合併した予後不良な奇形症候群への終末期医療への関わり
Keywords:奇形症候群, 終末期医療, 姑息手術
【緒言】小児において先天性心疾患(CHD)を合併する予後不良な奇形症候群は多数存在し、心疾患への侵襲的な治療介入が患児、家族の利益となるか判断は難しい。今回、CHDを有する奇形症候群で手術介入を経て在宅へ移行し、終末期医療にかかわることができた症例を経験したため報告する。【倫理的配慮】倫理委員会の承認を得てから当事例の患者家族へ研究を行うことを口答、紙面にて説明し同意を得た。【症例1】2歳、女児、ファロー四徴症、染色体異常。(出生後の染色体検査にて診断)。ご両親は、長期生存は見込めない症候群と理解したうえで、在宅へ移行するための治療介入を希望された。生後約半年でにBT shunt術、1歳時に気管切開術施行し、呼吸苦に対しモルヒネを導入した上で、退院となった。退院半年後、栄養管理困難となり、改めて終末期医療の説明を行いご両親の意向を確認したところ、自宅での見取りを希望された。訪問看護と連携を取り、往診医に入っていただき、約6ヶ月後永眠された。【症例2】2歳、男児、福山型筋ジストロフィー、両大血管右室起始症、肺動脈狭窄症。出生後、筋疾患の疑いがあったが、NICUでは診断には至らず、CHDに対し、約10日後にBTshunt術を施行し、6ヵ月でNICUを退院した。退院後、遺伝子検査にて福山型筋ジストロフィーと診断、ご両親へ、予後不良な疾患である事を説明し理解したうえで、積極的介入は望まれず疼痛緩和の介入を希望された。2歳時、インフルエンザを契機に呼吸不全となり挿管管理を行ったが、それ以上の介入は望まれず、永眠された。【考察】CHDへの介入は侵襲的ではあるが、在宅医療へ移行できたことは、患児と家族にとって最善の利益であったことは間違いなく、家族の意向に十分に添うことができた。小児奇形症候群に対する治療方針は明確なものはないが、患児や家族の最善の利益が得られるように考えていく必要がある。