The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

E-Oral Presentation

電気生理学・不整脈

E-Oral Presentation 8 (III-EOP08)

Sun. Jul 9, 2017 1:00 PM - 2:00 PM E-Oral Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Hiroya Ushinohama(Ohori Children's Clinic)

1:00 PM - 2:00 PM

[III-EOP08-03] カテコラミン誘発性多形性心室頻拍の診断基準の検討

後藤 浩子1,2, 寺澤 厚志1, 山本 哲也1, 面家 健太郎1, 桑原 直樹1, 桑原 尚志1 (1.岐阜県総合医療センター 小児循環器内科, 2.岐阜県総合医療センター 不整脈科)

Keywords:CPVT, 診断基準, 2方向性VT

【背景】カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(CPVT)は致死性不整脈の一つであり、無治療の場合の成人到達率が約50%と予後不良な疾患である。そのため、CPVTの早期診断と治療開始は大変重要である。現在のCPVT診断基準は運動もしくはカテコラミン投与により、2方向性心室頻拍、多形性心室頻拍、多形性心室期外収縮が誘発されるものや、CPVTに関連する遺伝子異常を認めるものが確定と定義されている。しかし、現状では小児期失神がてんかんと診断されていたり、良性な心室期外収縮(VPC)と過少評価されている場合もある。
【目的】CPVT患者の診断基準のポイント化を検討する。
【対象と方法】CPVT発端者患者6名の診断基準をポイント化し、後方視的に検討した。ポイント設定は運動による失神1点・心室細動2点、運動・カテコラミンいずれかの負荷検査による2方向性心室頻拍1点、40歳未満1点、家族歴1点、遺伝子変異あり1点とした。
【結果】診断年齢:7歳9か月~15歳11か月、性別:男子5、女子1。失神歴:失神あり4 、心室細動1。心電図異常指摘:VPC2。当院紹介契機:繰り返す失神4、溺水による心室細動1、VPCの増加1でいずれもCPVTは診断されていなかった。家族歴:母親 3。うち1母親ICD植え込み。運動負荷検査: 心拍数増加に伴うVPC出現から2方向性VTを認めたもの5、単発VPC出現1。単発VPC出現の患者は心室細動既往であったため、エピネフリン負荷検査を行い、2方向性VTが出現した。遺伝子検査:RyR2変異5、検査中1。この結果を診断基準の設定ポイントを合計すると5点3名、4点2名、3点1名であった。遺伝子検査の結果を含まないと4点3名、3点3名。以上より、診断基準ポイント合計が4・5点をCPVT確定、3点を疑いとして早期に治療介入可能と思われた。
【結語】CPVTは早期診断が重要であるため、いくつかの臨床背景や検査所見からCPVT患者をみいだす必要がある。そのためには、診断基準のポイント化が有効であると思われた。