The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

自律神経・神経体液因子・心肺機能

Free Paper Oral 40 (III-OR40)

Sun. Jul 9, 2017 9:30 AM - 10:20 AM ROOM 5 (Exhibition and Event Hall Room 5)

Chair:Takashi Higaki(Department of Regional Pediatrics and Perinatology Ehime University Graduate School of Medicine)

9:30 AM - 10:20 AM

[III-OR40-04] 起立性調節障害例の起立時血行動態

堀口 泰典 (国際医療福祉大学 熱海病院 小児科)

Keywords:起立性調節障害, 心機能, 冠血流

(背景)起立性調節障害(OD)では起立時に静脈環流が減少し血圧・脈圧低下、心拍上昇などをきたす。しかし、起立時の心臓のパフォーマンスについては不明な点も多い。(目的)ODの起立時の心血行動態を検討し報告する。(方法)OD6例を対象とし、心電図モニター下に安静仰臥位と起立時に心エコー図を行い以下の項目を検討した。(1)血圧・脈圧・心拍数の変化、(2)左室拡張末期容積・一回心拍出量・左室駆出率・心係数、(3) 左右冠動脈血流速度、単位心筋重量当たりの冠動脈血流速度。(結果)それぞれの変化。(1)収縮期血圧・脈圧・心拍数:109.70+-7.84⇒90.83+-17.83・49.67+-8.50⇒27.67+-9.58・70.67+-16.54(2)LVEDV:92.88+-16.96⇒32.30+-7.65・SV:61.33+-10.42⇒20.52+-5.46・LVEF:66.53+-7.86%⇒63.80+-12.68%、CI:3.36+-0.57⇒1.65+-0.49 (3) LAD flow: 19.70+-4.20⇒13.32+-3.10cm/sec(心筋重量補正0.2556+-0.0626⇒0.1705+-0.0331cm/sec/g)、seg4 flow:21.10+-5.08⇒13.07+-1.69cm/sec(心筋重量補正0.2783+-0.0921⇒0.1722+-0.0422cm/sec/g)(考案)起立による前負荷の減少からLVEDVは安静仰臥位時の35.5%に減少。心拍数が増加してもCIは49.5%に低下した。心室中隔は奇異な壁運動となった。一方、冠血流はLADで67.7%にseg 4で64.6%に減少したことは頻拍による心仕事量の増加と重なって、冠血流不足の状態が生じ、虚血性心筋障害の発生するリスクが高い循環動態であると思われた。(結論)1)ODでは起立に伴いCIは仰臥位の約50%に減少する。2)この変化は前負荷が35.5%減少することが原因で心拍数増加で代償してもCIを維持できない。3)冠血流が減少し心拍が増加することは起立により相対的な心筋虚血が生じている可能性がある。