8:30 AM - 9:20 AM
[III-OR41-04] 両側肺動脈絞扼術に対する経皮的肺動脈絞扼部拡大術が形態・血行動態に及ぼす影響
Keywords:肺動脈絞扼術, カテーテル治療, 左心低形成症候群
【背景】Norwood手術のリスクが高い左心低形成症候群(HS群)や動脈管依存性のborderline LV(BV群)に対して両側肺動脈絞扼術(PAB)後、それぞれ低酸素改善と左室容積増大を目的として経皮的肺動脈絞扼部拡大術(PTBD)が追加されるが、形態・血行動態への影響は明らかでない。【目的】両群におけるPTBD前後での形態・血行動態の変化を明らかにする。【方法】2012年12月から2016年10月までに当センターでPTBDを施行したHS群6例、BV群4例を対象にSpO2、Qp/Qs、房室弁逆流、肺動脈絞扼部径、心室容積の変化を検討する。【結果】PTBDは両群とも2±1回(中央値±標準偏差、以下同じ)施行され1、2、3回目での使用バルーン径・PABからPTBDまでの間隔・平均肺動脈絞扼部径は3±0.5、3.3±0.4、4±0.4mmと49±49、86±49、202±49日と1.6±0.3、1.8±0.2、2.2±0.4mmであり平均肺動脈絞扼部径は前後でp<0.05と有意差を認めた。HS群における上肢のSpO2は79±4.0→84±4.8、80±2.1→90±3.0、72→78%と上昇し、BV群におけるQp/Qs・%LVEDVは0.7±0.1→1.9±0.9、0.5±0.2→0.6±0.2、1.0±0.5→1.6±0.5と75±14、81±20、100±22%で共に増加した。HS群中5/6例に対して311±164日で次期手術施行(Norwood+BDG3例、Norwood2例)しBV群中2/4例において2心室修復(待機中1例)に到達。両群とも合併症・房室弁逆流の増加・呼吸状態の悪化は認めなかった。【結語】PTBDは安全に施行可能で、HS群においてチアノーゼの改善・次期手術待機期間の延長が期待できる。BV群における左室容積増加・2心室修復への到達率向上が期待できる可能性がある。