The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

電気生理学・不整脈

Free Paper Oral 43 (III-OR43)

Sun. Jul 9, 2017 10:15 AM - 11:05 AM ROOM 6 (Exhibition and Event Hall Room 6)

Chair:Hitoshi Horigome(Department of Pediatrics, Faculty of Medicine, University of Tsukuba)

10:15 AM - 11:05 AM

[III-OR43-03] 乳児期以降に発見された器質的心疾患を伴わない完全房室ブロック症例の臨床的検討

豊田 直樹, 稲熊 洸太郎, 石原 温子, 鶏内 伸二, 坂崎 尚徳 (兵庫県立尼崎総合医療センター 小児循環器科)

Keywords:完全房室ブロック, 小児, 臨床像

【背景】胎児期に気づかれる完全房室ブロック(CAVB)症例は一般に重症であり、生後早期にペースメーカー治療を要することが多い。一方、小児期に発見される器質的心疾患のないCAVB症例のまとまった報告は少なく、臨床経過や中長期的予後はよく分かっていない。【目的】乳児期以降に発見されたCAVB症例の臨床像を明らかにすること。【対象】1994年から2016年までに当院を受診し経過観察中の乳児期以降に発見されたCAVB6例。【方法】診断時年齢、診断契機、追跡期間、主な所見、経過中の症状、治療の有無を診療録から後方視的に検討した。【結果】診断時年齢4か月‐12歳(中央値3歳)。診断契機は学校検診3例、乳幼児健診2例、感染症罹患で医療機関受診1例。追跡期間8か月-22年7か月(中央値5年)。運動負荷検査をし得た4例で心室拍数の増加不良を認めた。母体抗SS-A抗体は調べた3例で陰性。経過中の症状は立ちくらみ1例、易疲労感1例、発育遅延・易感染性1例、経時的BNP上昇2例であった。ペースメーカー植え込みは2例で行われ、初診時からの期間は3か月と1年9か月、その適応理由は易疲労感・経時的BNP上昇、発育遅延・易感染性であった。【結語】乳児期に発見されるCAVB症例では発症時期の推定が困難であるが、先天性と背景が重なっている可能性がある。中期的に症状の進行がなければペースメーカー回避の可能性は高いと思われるが、長期の注意深い経過観察が必要である。