The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

成人先天性心疾患

Poster (III-P39)

Sun. Jul 9, 2017 1:00 PM - 2:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Shigeru Tateno(Department of Pediatrics, Chiba Cardiovascular Center)

1:00 PM - 2:00 PM

[III-P39-05] 成人先天性心疾患患者に対する「仕事」による負荷の重要性

堀口 泰典 (国際医療福祉大学熱海病院 小児科)

Keywords:ACHD, 仕事, NYHA分類

【背景】成人先天性心疾患(ACHD)患者が「仕事」をすることによる心血行動態への影響はあまり検討されていない。【目的】ACHD患者2例の「仕事」に関連した症状の変化を検討し報告する。【対象】25歳女性(症例1)と23歳女性(症例2)症例1は心内膜症欠損(ECD)術後の保母、症例2はファロー四徴(TOF)術後の看護師(就職直後)【方法】夫々の臨床所見の「仕事」との関連を後方視的に検討した。【成績】症例1:ECD心内修復術を3歳時に受け両房室弁逆流を遺残するも問題なく成人し保母として就労していた。24歳で結婚。1回自然流産の後25歳で2回目の妊娠をした。この時も1回目の妊娠同様仕事を継続していたが、18週で産科から休職・自宅安静を指導された。その結果18週6日CTR44.8%から30週0日41.9%、NT-proBNPも203から54と改善し、38週4日に経膣分娩で3300gの健常児を出産した。症例2:幼児期のTOF心内修復術直後より3度房室ブロックとなった。しかし接合部レートが50~60/min程度のためそのまま経過観察。看護学部を卒業し看護師資格も得た。この間、激しい競技を除き体育にも参加し学生時代は問題無かった。しかし、病棟勤務となったところ、めまいが強く階段昇行も厳しくなり休息を取らなければ動けなくなった。心臓カテでは右室拡張末期圧14mmHg肺動脈逆流中等度等さほど問題無く心拍数が少ないことが原因と考えられ、ペースメーカー装着したところ症状が改善した。【考案】この2例は平常時NYHA分類I度と思われたが、妊娠、就労という負荷でII~III度となった。症例1では休職により血行動態が劇的に改善。逆に症例2では就労により症状が強くなりペースメーカー装着となった。保母、看護師という強度としては中等度の「仕事」でもACHD患者にとって強く影響するものと思われる。 【結論】ACHD患者にとって「仕事」は重い負荷となる可能性があり、就職後はきめ細かな経過観察が必要である。