Poster (III-P41)

[III-P41-04] 当科における心室中隔欠損に合併する冠動脈疾患の検討

^○大岩 香梨, 伊藤 由依, 本倉 浩嗣, 佐々木 宏太, 加藤 健太郎, 米田 徳子, 伊藤 由作, 渡辺 健 (田附興風会 医学研究所 北野病院 小児科)

Keywords:心室中隔欠損, 冠動脈疾患, 心電図異常

【目的】心室中隔欠損(VSD)における冠動脈疾患(CAD)合併について検討する。【対象】2011年9月から2016年12月の間に当科で心カテ(大動脈造影を含む)を施行したVSD 20例。【方法】[1]CADの割合と内容、[2]CADと心電図異常(ECGA；ST低下、Q波)の関係、[3]CAD+ECGA+群、CAD-ECGA+群、CAD-ECGA-群の3群に分けてmPAP mean(mmHg)、Rp(Um2)、LVEDVI(ml/m2)、LVEFを比較し、血行動態の関与を調べた。【結果】[1]CADは20例中4例 (20%)で認め、内容はALCAPA、CS atresia、Single coronary artery(Lipton L-||B)、LCA high take off＋anomalous origin of LCX from RCC各1例であった。[2]CAD+ 4例中4例(100%)にECGAを認めた。[3]平均で、CAD+ECGA+群はmPAP=35、Rp=2.45、LVEDVI=64、LVEF=0.70；CAD-ECGA+群はmPAP=43、Rp=3.06、LVEDVI=74、LVEF=0.63；CAD-ECGA-群はmPAP=40、Rp=2.49、LVEDVI=72、LVEF=0.65であった。【考察】[1]虚血リスクのあるCAD合併は稀ではない。[2]ECGAはCADのスクリーニングとして有用と考える。[3]CAD-ECGA+群とCAD-ECGA-群の比較から血行動態の重症度とECGAの関連が示唆される。CAD+ECGA+群の血行動態が他2群よりも軽症であることからCAD自体がECGAの主因である可能性が示唆される。【結論】VSDにおいて、ECGAを認める場合は特に、CAD合併の可能性を考え心カテの際に大動脈造影を行うことが有用と考える。