第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

川崎病・冠動脈・血管

ポスター (III-P41)
川崎病・冠動脈・血管 2

2017年7月9日(日) 13:00 〜 14:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:唐澤 賢祐(日本大学医学部小児科/唐澤医院)

13:00 〜 14:00

[III-P41-09] 髄膜脳瘤と大動脈弁輪拡張症を合併した一例

櫻井 牧人, 武井 陽, 中村 蓉子, 渡邉 友博, 渡部 誠一 (総合病院 土浦協同病院)

キーワード:大動脈基部拡張症, 髄膜脳瘤, Loeys-Dietz症候群

【症例】13歳女児【既往歴】内反足、鼡径ヘルニア外科手術、周期性嘔吐症、精神運動発達遅滞。【現病歴】出生時に閉鎖性髄膜脳瘤を認め、脳瘤閉鎖術および頭蓋形成術が施行されている。大動脈弁は二尖弁で生後間もなくより大動脈基部の拡張が認められていた。徐々に大動脈基部拡張進行し、高血圧も認められたため、9歳時よりメトプロロールの内服が開始された。10歳時に内服薬をアムロジピンに変更。12歳時にアテノロールを追加している。現在大動脈基部最大径は43mm程度、拡張は大動脈基部から上行大動脈にかけて認められており、大動脈弁閉鎖不全は認められていない。【考察】大動脈弁輪拡張症(annuloaortic ectasia,以下AAE)とは、何らかの原因で大動脈基部が拡張し、大動脈弁閉鎖不全などを引き起こすものである。Marfan症候群に見られる場合が多いが、単独での発症も見られる。一方で髄膜脳瘤と大動脈弁輪拡張を合併した症例についてはほとんど報告がない。本症例は出生時に髄膜脳瘤を認め、その後AAEが明らかとなってきた。Marfan症候群に合致するような身体的特徴はその他には有しておらず、遺伝子検査は未施行である。本症例の治療方針、手術適応の有無や手術時期についても文献的考察を踏まえ検討する。