第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

川崎病・冠動脈・血管

ポスター (III-P41)
川崎病・冠動脈・血管 2

2017年7月9日(日) 13:00 〜 14:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:唐澤 賢祐(日本大学医学部小児科/唐澤医院)

13:00 〜 14:00

[III-P41-10] 川崎病後のアスピリン内服中に食物依存性誘発アナフィラキシーを起こした2歳男児例

工藤 嘉公 (聖マリア病院 小児科)

キーワード:川崎病, アスピリン, アナフィラキシー

【背景】川崎病後には血管炎の影響を配慮してアスピリンの内服が行われる。一方、食物アレルギーの一部は、アスピリンなどNSAIDと同時に摂取することでアナフィラキシーが誘発される群が存在する。今回、川崎病罹患後にアスピリン内服中に食物依存性アナフィラキシーを起こした症例を経験したので報告する。【症例】 2歳2ヶ月の男児で、川崎病の診断で入院加療とした。川崎病症状は6症状が揃い、第5病日にIVIG、アスピリン3mg/kg/日内服開始。6病日に解熱し、8病日からアスピリンは5mg/kg/日に減量。冠動脈病変の合併なし、9病日に退院。11病日の朝食後に口唇腫脹と顔面・体幹に紅斑出現し、急激に増悪し当院へ来院。搬入時意識レベル清、SpO2=98%、HR155、血圧120/80、口唇は上下ともに著明に腫大、顔面から体幹に紅斑が散在、一部に膨隆疹あり。呼吸数50回/分、胸骨上窩に陥没呼吸あり、吸気性喘鳴あり。エピネフリン筋注し、抗ヒスタミンとステロイドの投与で、陥没呼吸と吸気性喘鳴はすぐに改善したが入院加療を必要とした。アナフィラキシー当日摂取した物は、アスピリン、ライ麦パン、ヤクルト、ヨーグルト、チューインガム。IgE RIST=183 IU//ml、RAST 小麦 0、ライ麦 0、グルテン 0、ω-5-グリアジン 0。アスピリンの薬剤誘発性リンパ刺激試験 陰性。4週間後に皮膚プリックテスト施行し、ライ麦パン:陰性、ヤクルト:陰性、アスピリン:陰性。【考察】 川崎病後のアスピリン内服中は、食物アレルギーを誘発しやすい状態である可能性がある。今回、過去にアレルギー歴のない児がアスピリンと朝食摂取後にアナフィラキシーを起こした。今後、アスピリン併用での食物負荷試験で行う予定である。