13:00 〜 14:00
[III-P44-01] 小児開心術において手術終了時にECMOを要した症例の検討
キーワード:ECMO, 循環不全, 小児開心術
【背景】
長時間の小児開心術では、心肺機能の低下が生じ人工心肺離脱が困難となることがある。当院では人工心肺離脱が困難な場合、ECMO装着・開胸下に手術終了としている。術後はPICUでCHDF併用下心肺機能の回復を待ちECMOの離脱をはかる。今回、手術終了時にECMOを要した症例について後方視的に検討を行った。
【方法】
2008年4月から2016年12月までの期間に当院で施行した小児開心術のうち、手術終了時にECMOを要した18症例を単心室群(以下U群)と両心室群(以下B群)の2群に分けた上で、生存例と在院死亡例の間での比較を行った。
【結果】
男児11例(61%)、女児8例(39%)で、新生児6例(33%)、乳児10例(56%)であった。U群、B群症例はそれぞれ9例で、在院死亡はU群で5例(56%, 全て周術期死亡)、B群で4例(44%, 周術期死亡1例)であった。手術時体重、Aristotle score、人工心肺時間、大動脈遮断時間、術中出血量はU群、B群ともに生存例と死亡例の間で差を認めなかった。術後因子として、死亡例ではU群・B群ともにECMO装着期間が長く(U群 死亡例13.6±10.3 vs 生存例5.0±3.4日, B群 6.3±2.6 vs 3.2±1.3日)、同様に術後24時間の血中乳酸値の減少率が少ない(U群 27±36 vs 57±21%, B群 27±29 vs 69±12%)傾向にあった。手術終了時の血中乳酸値、ペーシングの有無や術後24時間の出血量, CK, Cre, DIC scoreについては差を認めなかった。
【考察】
開心術後にECMOを要する患者の予後規定因子として、術後急性期の末梢循環の改善及び早期のECMO離脱が寄与する可能性が示唆された。今後症例を積み重ね更なる検討を行っていきたい。
長時間の小児開心術では、心肺機能の低下が生じ人工心肺離脱が困難となることがある。当院では人工心肺離脱が困難な場合、ECMO装着・開胸下に手術終了としている。術後はPICUでCHDF併用下心肺機能の回復を待ちECMOの離脱をはかる。今回、手術終了時にECMOを要した症例について後方視的に検討を行った。
【方法】
2008年4月から2016年12月までの期間に当院で施行した小児開心術のうち、手術終了時にECMOを要した18症例を単心室群(以下U群)と両心室群(以下B群)の2群に分けた上で、生存例と在院死亡例の間での比較を行った。
【結果】
男児11例(61%)、女児8例(39%)で、新生児6例(33%)、乳児10例(56%)であった。U群、B群症例はそれぞれ9例で、在院死亡はU群で5例(56%, 全て周術期死亡)、B群で4例(44%, 周術期死亡1例)であった。手術時体重、Aristotle score、人工心肺時間、大動脈遮断時間、術中出血量はU群、B群ともに生存例と死亡例の間で差を認めなかった。術後因子として、死亡例ではU群・B群ともにECMO装着期間が長く(U群 死亡例13.6±10.3 vs 生存例5.0±3.4日, B群 6.3±2.6 vs 3.2±1.3日)、同様に術後24時間の血中乳酸値の減少率が少ない(U群 27±36 vs 57±21%, B群 27±29 vs 69±12%)傾向にあった。手術終了時の血中乳酸値、ペーシングの有無や術後24時間の出血量, CK, Cre, DIC scoreについては差を認めなかった。
【考察】
開心術後にECMOを要する患者の予後規定因子として、術後急性期の末梢循環の改善及び早期のECMO離脱が寄与する可能性が示唆された。今後症例を積み重ね更なる検討を行っていきたい。