The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Symposium

Symposium 11 (III-S11)

Sun. Jul 9, 2017 8:30 AM - 10:00 AM ROOM 1 (Exhibition and Event Hall Room 1)

Chair:Naokata Sumitomo(埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科)
Chair:Mari Iwamoto(済生会横浜市東部病院 こどもセンター総合小児科)

8:30 AM - 10:00 AM

[III-S11-02] Current status of school heart check up

Mari Iwamoto1, Masami Nagashima2 (1.Child center, Saiseikai Yokohamashi Tobu Hospital, 2.Aichiken Saiseikai Rehabilitation Hospital)

Keywords:12誘導心電図, 省略4誘導心電図, 心臓検診判定委員会

【はじめに】学校心臓検診の方法は各地域に委ねられ、検査法や管理はさまざまである。その現状について文科省と学校保健会により平成10年と25年に全国調査が施行された。2回目の調査では全国の学校に対する調査も加わり、より実態に近い結果を得ることができた。【実態の概要】1.心臓検診の方法;一次検査の心電図は小・中・高等学校とも約80%で委託検査機関が行い、約17%が指定医療機関で実施、少数で学校医に依頼していた。一次検診の心電図記録は12誘導心電図60%、省略4誘導心電図36%であった。検診で発見される重要な疾患(心房中隔欠損症・QT延長症候群・WPW症候群・心筋症等)をスクリーニングするためには12誘導心電図のほうが望ましい。その他心音図は25%、心エコーは4%であった。心電図の判読医師は小児科医20%、内科医は小中学生で40%、高校生で60%であった。地域による差があり、携わる小児科医の数にバラつきがみられた。2.検診結果と管理;要精検者は全体で3.4%(小学校3.0%、中学校3.7%、高校3.5%)であった。精密検査の結果で要管理は全体で0.98%(小学校0.89%、中学校1.02%、高校1.02%)とほぼ妥当な数字が示された。一部の地域では要精検者が5%を超え、要管理者が2%を超えた。市町村教育委員会では心臓検診判定委員会について57%は把握しておらず30%で心臓判定委員会は開催せず他の委員会で代用していた。「学校生活管理指導表」は87%の学校で使われ、平成10年度より利用率は上がった。しかし地域差があり北海道、東北、九州で利用率が低い傾向がみられた。【まとめ】学校心臓検診が行われるようになってから40年が経過したが、未だに検診の方法・精度の地域差が大きいことが示された。学校心臓検診に小児循環器医師が精度管理に果たす役割が重要であると考えられた。