The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Free Paper Oral(multiple job category)

社会・家族支援・スタッフ教育

Free Paper Oral(multiple job category)5 (III-TRO5)

Sun. Jul 9, 2017 8:30 AM - 9:20 AM ROOM 2 (Exhibition and Event Hall Room 2)

Chair:Noriko Nakazawa(Nursing unit .Mt.Fuji Shizuoka Children Hospital)

8:30 AM - 9:20 AM

[III-TRO5-02] フォンタン手術を受けた患者と家族の全国応援活動「フォンタンの会」開催報告

吉田 佳織1, 権守 礼美2, 森脇 弘子3, 城戸 佐知子4, 麻生 俊英5, 岸本 英文6 (1.大阪府立母子保健総合医療センター 看護部, 2.神奈川県立こども医療センター 看護局, 3.市立豊中病院 看護部, 4.兵庫県立こども病院 循環器内科, 5.神奈川県立こども医療センター 心臓血管外科, 6.元母子医療センター 心臓血管外科)

Keywords:フォンタン手術, 患者, 支援

【背景】フォンタン手術は単心室を含む複雑心疾患に対する機能的修復術であり、手術後の患者や家族は予期せぬ事態に不安を抱いて過度の運動制限を課し、消極的に過ごしていることも少なくない。また、就職・妊娠・出産などに不安を抱いているとされている。そこで2011年より、フォンタン手術後の患者と家族の応援をすることを共通の目的とした複数施設の医師・看護師、そして患者が協働して「フォンタンの会」を各地で開催している。【開催目的】フォンタン手術を受けた全国の患者と家族を対象に、教育・交流を目的とした交流会を開催し、「何ができない」ではなく、「何ができる」「こうすればできる」という視点で支援すること。【開催内容】内容は主に、(1)医師による病気やフォンタン循環の説明と適度な運動についての講義(2)看護師による成長や自己管理についての講義(3)患者や家族からのお話(4)キッズヨガであり、各地の医師や患者会が中心となり開催している。【結果・考察】2011年から6年間で、大阪・神奈川・愛媛・広島・長野・鹿児島・金沢・岩手の全国8か所での開催を終えた。毎回100名前後の患者と家族の参加があり、活発な意見交換が行われた。家族からは「制限をするのではなく、限界を本人が知ることが大切」などの感想が得られた。また、患者と家族が病気について話す機会が増えたという調査結果も得られており、会が子どもや家族の学びや交流の場になっていた。マイペースで参加できるキッズヨガには、在宅酸素使用中の患者も皆と一緒に参加し、「自分に可能な運動」を知ることができていた。フォンタンの会の開催をきっかけに、継続的に取り組みを行っている施設もでてきている。【おわりに】今後も会の開催を継続し、施設という壁を超えて全国の患者や家族が前向きに病気と向き合える支援を検討していきたい。