8:30 AM - 9:20 AM
[III-TRO5-03] 児童に対する効果的な心肺蘇生教育方法の検討
Keywords:一次救命処置, AED, 突然死
【背景】クラブ活動中に起こる児童・生徒突然死を防ぐためには、児童がby stander CPRの技術を身に着ける必要がある。我々は、2015年から「山梨県における児童・生徒突然死ゼロ」を目指し、児童に心肺蘇生を指導する市民講座を2回開催した。昨年の本学会において、小学校低学年は正確に心肺蘇生を行うことができることを報告した。【目的】児童が集中して講義を受講し、実習内容に興味を持つ指導方法を検討すること。【方法】山梨県に在住し心肺蘇生の習得に興味を持つ児童とその両親・兄弟を一般公募し、第3回親子で学ぶ心肺蘇生講座を開催した。心肺蘇生方法に関する講義を行った後に、CPRマネキンとAEDトレーナーを用いて親子で行う心肺蘇生の実技練習を行った。市民講座終了後に、児童へ興味を持ったことについて、指導者へ効果的であった指導方法について調査した。【結果】参加した計45名中、児童は28名。内訳は未満児2名、幼稚園7名、小学校低学年8名、小学校高学年11名。アンケートに回答した19名の児童は、講義で心肺蘇生トレーニングボックスを使ったこと(8名 42%)、実技練習でAEDトレーナーを使ったこと(13名 68%)、CPRマネキンを使ったこと(8名 42%)に興味を示した。指導者は、1)学校授業のように机に向かい、講義時間を30分程度にすること、2)アニメーション動画を用いて難解な医学用語を用いないことで、児童が集中して講義内容を習得することができたと回答した。【考察】児童は、学校で行われている授業形態をとることで、講義内容に集中できた。講義は映像を用いてわかりやすく解説したこと、実技練習は数多くの心肺蘇生練習道具に触れる時間を十分とったことが児童の興味を引き付けた。このような指導方法は、児童へ心肺蘇生を指導するために有効であると考えられた。