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[III-TRO6-04] 重症心不全患児へのChild Life Specialistによる介入とその成果-補助人工心臓装着から移植、移植後の関わりを行った1症例-
キーワード:Child Life Specialist, 小児心臓移植, 多職種連携
【はじめに】Child Life Specialist(CLS)は、 医療環境下にある子どもや家族に心理社会的支援を提供する北米発祥の専門職である。日本においても現在約40名が活動しているが、心臓移植医療専属のCLSが活動している施設は少ない。今回、小児用の体外式補助人工心臓であるBerlin Heart EXCOR(以下、EXCOR)装着による移植待機後、移植に至った患児に対するCLSの継続的な介入とその成果について報告する。事例報告をするに当たり、対象者の親権者の同意を得て倫理的配慮を行った。
【症例】6歳未満、女児、生後3か月で拡張型心筋症と診断され入退院を繰り返していたが、6度目の入院時にEXCORを装着し移植待機となった。CLSは、患児の状態が安定した装着術後約1ヶ月より医師や看護師と日々協働しながら、患児の発達年齢を考慮した遊びを通しての介入や、処置時のサポートを開始した。また、EXCORの模型を装着した人形を使用したメディカル・プレイを行い、患児の病気とその治療に対する理解を深める関わりを行った。さらに、理学療法士(PT)によるリハビリテーションの際にも、患児がより積極的に取り組めるようサポートを行った。装着術後178日目に心臓移植が施行されたが、その術前にもメディカル・プレイによって患児に手術の説明を行ない、移植後も早期からCLSは患児への介入を再開した。その後、患児は良好な経過を辿り、心臓移植後52日目に退院に至った。退院後もCLSは、患児が外来受診への移行を円滑に行えるよう、レシピエント・コーディネーターと連携して、外来受診時の流れや生活の注意点についてまとめた絵本を作成し、患児の発達年齢を考慮した介入を継続している。
【考察】CLSによる重症心不全患児への発達段階を考慮した様々な介入は、移植待機期間中から移植後においても、患児がより医療環境や医療体験、移植後の生活について理解し臨むために有用であり、そのためには多職種連携が不可欠である。
【症例】6歳未満、女児、生後3か月で拡張型心筋症と診断され入退院を繰り返していたが、6度目の入院時にEXCORを装着し移植待機となった。CLSは、患児の状態が安定した装着術後約1ヶ月より医師や看護師と日々協働しながら、患児の発達年齢を考慮した遊びを通しての介入や、処置時のサポートを開始した。また、EXCORの模型を装着した人形を使用したメディカル・プレイを行い、患児の病気とその治療に対する理解を深める関わりを行った。さらに、理学療法士(PT)によるリハビリテーションの際にも、患児がより積極的に取り組めるようサポートを行った。装着術後178日目に心臓移植が施行されたが、その術前にもメディカル・プレイによって患児に手術の説明を行ない、移植後も早期からCLSは患児への介入を再開した。その後、患児は良好な経過を辿り、心臓移植後52日目に退院に至った。退院後もCLSは、患児が外来受診への移行を円滑に行えるよう、レシピエント・コーディネーターと連携して、外来受診時の流れや生活の注意点についてまとめた絵本を作成し、患児の発達年齢を考慮した介入を継続している。
【考察】CLSによる重症心不全患児への発達段階を考慮した様々な介入は、移植待機期間中から移植後においても、患児がより医療環境や医療体験、移植後の生活について理解し臨むために有用であり、そのためには多職種連携が不可欠である。