[I-DJK-01] 男女共同参画-日本小児科学会の取り組み-
キーワード:男女共同参画, 日本小児科学会, 働き方改革
日本小児科学会では、2002年に「小児科女性医師の働く環境改善委員会」が設立され、早くから男女共同参画への動きがみられた。さらに2006年には「小児科医のQOLを改善するためのプロジェクトチーム」が発足し、現在政府でも議論されている「働き方改革」を先取りした形で様々な活動が行われてきた。それにより、子育て女性医師の当直・オンコールの免除、時短勤務などの様々な施策が、同時に行われた小児医療の集約化の動きと共に浸透し始めた。しかし、24時間365日継続することが必要とされる医療の世界では、そのような施策だけでは問題が解決しないということが徐々に明らかになってきた。そこで2014年、その委員会は男女共同参画推進委員会と名称が変更され、「真の男女共同参画とは?」を命題に活動が始まった。いわゆる育児者のみに焦点を絞るのではなく、様々な環境にある医師が「医師の公共性」を認識し臨床に従事し、研究も行い、平等にチャンスが与えられ男女共に指導的地位や管理職を目指せることのできる施策作りを目標としたのである。2018年4月の日本小児科学会学術集会で、当委員会の企画である「小児科医に明日はあるか?」というシンポジウムが行われ、①各大学医局人事担当者への男女共同参画に対するアンケート②地域小児科センターに勤務する若手小児科医の動向③シフト勤務への取り組み④育児女性医師への配慮の問題⑤女性医師同士自ら作成した勤務体制のルールが提示され、男女共にいかなるライフイベントに対しても医師としてキャリアアップがはかることができる方法にについて話し合いが行われた。本講演では、日本小児科学会の男女共同参画への取り組みの変遷と、今後の目標について述べる。