The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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教育講演

教育講演1(I-EL01)

Thu. Jul 5, 2018 2:50 PM - 3:50 PM 第1会場 (メインホール)

座長:籏 義仁(昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)

[I-EL01-02] ペースメーカの基本中の基本

岩本 眞理 (済生会横浜市東部病院 こどもセンター)

Keywords:パルスジェネレータ, Strength-duration curve, 生理的ペーシング

ペースメーカとは:電気刺激を心筋細胞に送って興奮・伝播させて心収縮をおこし心拍数をコントロールする電気的デバイスである。ペースメーカ(以下PM)はパルスジェネレータ(PM本体)と電極リードから構成される。体内植え込み用はリチウム電池が電源で、ペーシングに要する電気回路とともにチタニウムやステンレスなどで覆って密封されている。電気回路はペーシング機構とセンシング機構が基本的な役割であるが、アンテナ部分があって専用のプログラマーを使ってテレメトリーができる。電極リードは経静脈心内膜リードと心筋電極があり、後者は小児や心臓手術後や静脈閉塞等が適応となる。
PM機能:PMからの刺激はパルス振幅と幅で出力をコントロールする。心筋を興奮・収縮させる最低限度の出力を刺激閾値と呼ぶ。刺激閾値をプロットしたStrength-duration curveをもとに適切な出力設定を行う。リード抵抗(インピーダンス)の異常な低下は電流の漏れ、上昇は断線や接触不良等が想定される。センシング(感知)は自己心拍を心内電位によってPMが認識することで、P波は2.0mV以上、R波5mV以上が適切である。自己心拍を優先してペーシングとの競合を防ぐ機能をデマンド機能と呼び、抑制型と同期型がある。PMはマグネットを当てるとレート固定型となり、その心拍数をマグネットレートと呼ぶ。ペーシング部位と様式はコード表示されるが、1文字目は刺激部位、2文字目は感知部位、3文字目は反応様式を示す。
 生理的ペーシング:心房・心室の協調性のある生理的ペーシング(AAI, DDD, VDD)は協調性のない非生理的ペーシング(VVI)より心機能低下や心房負荷が少ない。
 おわりに:PMの植え込み適応やPMの進歩についての情報を紹介する。