[I-MOR01-05] Fontan術後患者の経時的発達フォローから得られた発達の傾向
キーワード:Fontan, WISC-4知能検査, 新版K式発達検査
【対象/方法】Fontan術後患者のうち2-4歳で新版K式発達検査(K式)を行い、5-7歳でWISC-4知能検査(WISC)を行った17例。K式では姿勢運動、認知適応、言語社会、全領域の発達指数(DQ)を評価し、WISCでは言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の指数と全検査知能指数(IQ)を評価した。また2-4歳時のK式の各項目のうち5-7歳時のWISC全検査IQの正常に寄与する因子について単変量ロジスティック回帰分析を用いて検討した。なお、それぞれの指数は70未満を遅滞、70以上85未満を境界、85以上を正常と定義した。【結果】K式から得られたDQの平均および正常の占めるパーセンテージは、姿勢運動: 81 (47%)、認知適応: 86 (41%)、言語社会: 81 (35%)、全領域: 83 (41%)であった。一方WISCから得られた指数の平均および正常の占めるパーセンテージは、言語理解:91 (65%)、知覚推理87 (53%)、 ワーキングメモリー: 88 (76%)、処理速度86 (65%)、全検査IQ: 85 (35%)であった。2-4歳時K式の全領域DQと5-7歳時WISCの全検査IQの比較では正常の占める割合に有意差は認めなかった。一方、下位項目に関しては5-7歳時WISCでの正常の占める割合が高い傾向があった。2-4歳時K式の各DQのうち5-7歳時WISCの全検査IQの正常に寄与する項目は、言語社会DQ(p=0.042)および全領域DQ(p=0.027)であった。【結語】Fontan術後患者において、年少児期における言語・社会領域の発達は年長児の知能発達に影響を与える可能性がある。