[I-MOR03-01] 右室流出路再建に用いたPTFE一弁付きグルタールアルデヒド処理自己心膜の挙動と右心系機能への影響
キーワード:右室流出路再建, trans-annular patch, 右心室機能
【目的】当施設でのmonocusped transannular patchによる右室流出路再建法の術後弁尖挙動と右心機能への影響から妥当性を評価。【方法】直径がZスコア+ 1mmのサイザー通過相当の右室切開口に、最下点から自己肺動脈弁または肺動脈-右室縫着線間を長径とし、サイザーと後壁自己組織の周径差を幅とする扇型0.1mm PTFE sheetを縫着。新右室流出路の前壁としてglutaraldehyde架橋自己心膜を縫着。2017年8月までの連続22例、手術時年齢:中央値9歳(15日~12歳)、手術時体重:中央値7.94kg(2.88~31.7)を対象。主診断:TOF 9, DORV 5, PTA 3, PA+VSD 3, TGA (III) 2。観察期間を術直後(22例)、術後経過~1年(19例)、~3年(16例)、~5年(12例)、5年以降(11例)に分け、心エコーによる弁尖の可動性と機能、右室機能の推移を後視的に調査。【結果】弁尖識別可能10例中、8例が術後中央値9ヶ月(0.5~14)で可動性消失(全開放位固定3、半開放固定5)、2例が最大6年時点で可動性あり。RVOT velocity(m/s):1.5±0.5→1.6±0.7→1.7±0.4→1.8±0.3→1.8±0.5、PR(moderate以上の例数)4→6→5→6→6、Tei index:0.38±0.09→0.29±0.12→0.32±0.08→0.28±0.09→0.28±0.08、TR velocity(m/s):2.5±0.6→2.7±0.7→2.8±0.4→2.7±0.4→2.9±0.5と推移(全てmean±SD)。現在までに再手術の発生なし。【結語】術後早期の弁可動性消失に対する弁尖素材および形状などの改良が必要であるが、右室機能は正常に保たれており、右室流出路再建術式として妥当であった。