[I-OR04-02] 総動脈幹症の外科治療成績
Keywords:総動脈幹症, 乳児期手術, 弁形成
【背景・目的】総動脈幹症(TA)の成績は向上してきたが、大動脈弓病変や総動脈幹弁逆流(TvR)などが治療方針や成績を左右するといわれている。当院での手術および中期成績を検討する。 【方法】2004年1月~2017年12月に外科治療を行ったTA 12例中初期から当院で介入した10例を対象とした。手術成績と中期成績を後方視的に検討した。 【結果】形態はVan Praagh分類 A1-2:A3:A4=6:2:1 (22q11.2欠損症候群2例)で、単心室形態(MS)が1例(A1-2)であった。[A1-2]一期的ICRを行う方針としている。6例中4例に対して一期的ICRを行った(1例Barbero-Marcial)。手術時年齢は21日(9~49day)、体重は3.1kg(2.6~3.6kg)であった。術前状態が悪い(低体重+severe TvR、NEC)2例は、両側PABを先行した。[A4]両側PAB(3.0kg)を行った後にICR + arch repair(3m)を行った。[A3]1例はMAPCAを合併しており、一側PAB (2.1kg)後、RPAのunifocalization行い、ICR(4歳)を施行した。他1例では、一側PAB+central shunt、palliative Rastelliを行い、ICR(1y4m)を行った。[MS] double aortic archを合併しており、両側PAB、一側archの離断を先行し、TCPCに到達(1歳10ヵ月)した。Truncal valve形態は2尖:3尖:4尖=1:5:4であり、出生時の逆流はsevere:1、moderate:2、mild:1、trivial:1であった。3例に弁形成(3尖弁化:2[自己心膜での弁尖延長:1、Imamura法:1]、交連縫縮:1)を行った。10例中、胎生期からsevere TvRを認めた1例をICR後に失った。ICR後の再手術は2例(4件)であり、手術はconduit交換3件、RVOTR 1件(Barbero-Marcial)、AVR(IE)1件(重複含む)であった。生存9例中1例はICR前で、全例経過良好である。 【考察・結語】手術および術後成績は比較的良好であった。低体重およびsevere TvRはhigh riskであり、今後の課題である。