[I-OR07-01] 小児期・青年期におけるQT短縮スクリーニング基準値に関する検討
Keywords:QT短縮, 学校心臓検診, スクリーニング
【背景】 先天性QT短縮症候群は、心室細動など致死性不整脈の原因となる疾患である。青年期の疾患頻度として1/1250~2000という報告があり、また2013年に発表された診断指針では「Bazzet補正による補正QT時間 (以下QTc) 330ms以下」とされている。一方、小児期での報告患者が少ないことから、これまで学校検診での明確なスクリーニング基準は定められていない。
【目的】 学校心臓検診でQT短縮をスクリーニングするためのQTc値を検討する。
【方法】 2009年から2013年の5年間に、鹿児島市の学校心臓検診を受けた小学校1年・中学校1年・高校1年全員の心電図を後方視的に解析した。自動解析QTc値の短い方から10%までを抽出し、接線法によりマニュアル測定した。1/1250~2000という頻度で抽出可能なマニュアル測定QTc値を度数分布から設定し、QT短縮のスクリーニング基準値として算出した。
【結果】 対象の総数は75,040名、最終的にQT時間をマニュアル計測した人数は7391名であった。QT短縮のスクリーニング暫定基準値と抽出頻度は小1男 330ms(1/625)、小1女 330ms(1/909)、中1男 320ms(1/1250)、中1女 330ms(1/1429)、高1男 310ms(1/714)、高1女 320ms(1/1429)であった。
【考察とまとめ】 QT短縮のスクリーニングでは、疾患頻度を参考に基準値を算定すると年齡が大きくなるほど値が短くなる傾向にあり、学年・男女別で異なる結果となった。特に徐脈傾向のある中・高校生男子の場合は、診断指針の示すQTc 330ms以下で抽出するとスクリーニング過多となる可能性がある。今回の暫定基準が妥当なものであるか、今後検討を重ねる必要がある。
【目的】 学校心臓検診でQT短縮をスクリーニングするためのQTc値を検討する。
【方法】 2009年から2013年の5年間に、鹿児島市の学校心臓検診を受けた小学校1年・中学校1年・高校1年全員の心電図を後方視的に解析した。自動解析QTc値の短い方から10%までを抽出し、接線法によりマニュアル測定した。1/1250~2000という頻度で抽出可能なマニュアル測定QTc値を度数分布から設定し、QT短縮のスクリーニング基準値として算出した。
【結果】 対象の総数は75,040名、最終的にQT時間をマニュアル計測した人数は7391名であった。QT短縮のスクリーニング暫定基準値と抽出頻度は小1男 330ms(1/625)、小1女 330ms(1/909)、中1男 320ms(1/1250)、中1女 330ms(1/1429)、高1男 310ms(1/714)、高1女 320ms(1/1429)であった。
【考察とまとめ】 QT短縮のスクリーニングでは、疾患頻度を参考に基準値を算定すると年齡が大きくなるほど値が短くなる傾向にあり、学年・男女別で異なる結果となった。特に徐脈傾向のある中・高校生男子の場合は、診断指針の示すQTc 330ms以下で抽出するとスクリーニング過多となる可能性がある。今回の暫定基準が妥当なものであるか、今後検討を重ねる必要がある。