The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

心不全・心移植

一般口演10(I-OR10)
心不全・心移植

Thu. Jul 5, 2018 5:00 PM - 5:50 PM 第4会場 (303)

座長:石川 司朗(福岡市立こども病院 循環器科)
座長:村上 智明(千葉県こども病院 循環器科)

[I-OR10-05] 心移植後のリンパ増殖性疾患 (PTLD)の発症リスクについての考察

福山 緑1, 坂口 平馬1, 福嶌 教偉2, 小垣 滋豊3, 黒嵜 健一1 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器科, 2.国立循環器病研究センター 移植医療部, 3.大阪大学医学部小児科)

Keywords:心移植, PTLD, タクロリムス

【はじめに】小児心臓移植を達成した患児が年々増加している中、移植後リンパ増殖性疾患 (Post-Transplant Lymphoproliferative Disease :PTLD)発症例を経験する。PLTDは化学療法・放射線療法の適応となり、移植後にも関わらず長期入院を余儀なくされる場合もあるため早期発見・早期の治療介入は移植後管理の中で目指すべき課題である。【目的】PTLDの早期発見を目指し、心移植後のPTLD発症リスクに関して後方視的に考察する。【対象】当センターで心移植後の管理を行った患児8名(国内移植2名、渡航移植6名)。【結果】心移植後のInduction Therapyは3名でATG、1名でATG+IVIG、3名でbasiliximab (シムレクトR)。いずれも維持療法としてTacrolimus (プログラフR)を内服しており、内服量の中央値は0.27mg/kg/day (0.17-0.45mg/kg/day)であった。8 名中2名が移植後6ヶ月・2年でPTLDを発症し、2名ともInduction TherapyがATGであった。またTacrolimus内服量は0.3mg/kg/day以上であった。【考察】移植後Induction Therapyとして投与する抗胸腺細胞グロブリン (Antithymocyte Globulin :ATG)はPTLDの発症リスクを上げるものとして知られているが、今回PTLDを発症した児はいずれもTacrolimus内服量も多かった。Tacrolimus内服量はそのトラフ値を基準に投与量設定がなされ、総投与量が多い場合はpeak値が高い可能性があり、PTLD発症に影響を与えることが示唆される。【結語】PTLD発症リスクを解明のため、心移植を受けた患児のInduction Therapy、Tacrolimus内服量について今後も検討したい。