The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

成人先天性心疾患

一般口演11(I-OR11)
成人先天性心疾患 1

Thu. Jul 5, 2018 8:40 AM - 9:20 AM 第5会場 (304)

座長:篠原 徳子(東京女子医科大学 循環器小児科)
座長:杜 徳尚(岡山大学 循環器内科)

[I-OR11-02] Fontan術後患者におけるホルター心電図の検討

鈴木 大1, 大内 秀雄1,2, 森本 美仁1, 根岸 潤1, 坂口 平馬1, 黒嵜 健一1 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器科, 2.国立循環器病研究センター 成人先天性心疾患科)

Keywords:Fontan術後, ホルター心電図, 病態

【背景】慢性心不全(CHF)患者の安静時心拍数上昇や不整脈の存在は予後悪化と関連する。Fontan術後(F)患者はCHFと類似の病態であるが、心拍数や不整脈の存在と病態との関連は不明である。【目的】F患者における心拍数の特色やF病態との関連を24時間ホルター心電図の成績から検討すること。【対象と方法】F患者において記録された2001年12月から2017年7月までのホルター心電図が施行されたβ遮断薬とペースメーカー治療の患者は除外した連続223例を対象とし最新の総心拍数(TB)最低心拍数(Min)上室性(PAC)及び心室性期外収縮(PVC)と心血行動態(中心静脈圧:CVP、心係数:CI、動脈酸素飽和度:Sat、心室容積係数:EDVIと駆出率:EF)、最高酸素摂取量(PVO2)との関連を、また128例では5年間の推移とこれら指標との関連も検討した。【結果】縦断的検討で、多変量解析からTBは高齢で低く(p<0.0001)、Minは高齢、男性、低いCIで低く(p<0.05-0.01)、logPACはAPCFontanが多く(p=0.05)、logPVCは高齢、低Satが独立に規定していた(p<0.05-0.0001)。また、内5.0±1.3年の経時的検討では、TBは年間1280心拍低下、Minは年間0.4心拍低下、PAC及びPVCは各々年間53及び9.4増加した。多変量解析ではTB低下はEF低下と(p<0.05)、PAC増加はCVP低下及びEF低下と関連していた(p<0.05-0.01)。【結論】ホルター心電図から見た1日の心拍動態は年齢に加え心血行動態の一部を反映する。不整脈、特に上室性不整脈は経時的に増加し、その変化は心血行動態の変化と密接に関連する。ホルター心電図による心拍動態把握はF患者の病態把握に有用である。