[I-OR15-03] 学校心臓検診を契機に診断された小児肥大型心筋症患者の突然死リスクの検討
Keywords:肥大型心筋症, 学校心臓検診, 突然死
【背景】肥大型心筋症(HCM)は、若年者が突然死する原因の一つである。本邦では学校心臓検診によって無症候性HCMが早期に診断されやすいが、致死的不整脈や突然死に遭遇するまで無症状である小児患者は多く、運動制限や内服のアドヒアランスは良くないため、致死的不整脈や突然死に遭遇する事を防ぐことは容易ではない。今回、学校心臓検診契機に診断された小児HCM患者の中で突然死リスクが高かった症例の初診時患者特徴について検討した。
【方法】1981年4月から2017年4月までの間に学校心臓3次検診を契機に診断されたHCMのうち、遺伝子疾患(Noonan症候群など)や二次性心筋疾患を除いた44例について診療録を用いて後方視的に検討した。致死的不整脈や突然死に遭遇した患者を突然死高リスク群と定義し、突然死低リスク群と比較し、特徴について検討した。
【結果】突然死高リスク群は44例中11例(25%)で、初回致死的不整脈や突然死に遭遇した年齢は13.1±5.7(7.0-28.0)歳であり、7例(64%)が有症状であり、6例(55%)に失神歴があった。既知の突然死リスクとして診断時低年齢・HCM関連死亡の家族歴・失神既往・ST低下・左室壁肥厚・繰り返すNSVTなどが知られているが、我々の検討で低リスク群と比較して高リスク群において有意な差があったものは、検診時低年齢(p=0.0084)・失神既往有(p=0.0012)・最終評価時異常Q波有(p=0.0031)・検診時心筋肥厚無(p=0.0148)であった。
【考察】今回の検討では、突然死リスク因子として以前より知られている失神既往に加えて、検診時に心筋肥厚が認められない症例でも心筋症に特異的な心電図異常が低年齢で出現している症例は、突然死のリスクが高い可能性が示唆された。
【方法】1981年4月から2017年4月までの間に学校心臓3次検診を契機に診断されたHCMのうち、遺伝子疾患(Noonan症候群など)や二次性心筋疾患を除いた44例について診療録を用いて後方視的に検討した。致死的不整脈や突然死に遭遇した患者を突然死高リスク群と定義し、突然死低リスク群と比較し、特徴について検討した。
【結果】突然死高リスク群は44例中11例(25%)で、初回致死的不整脈や突然死に遭遇した年齢は13.1±5.7(7.0-28.0)歳であり、7例(64%)が有症状であり、6例(55%)に失神歴があった。既知の突然死リスクとして診断時低年齢・HCM関連死亡の家族歴・失神既往・ST低下・左室壁肥厚・繰り返すNSVTなどが知られているが、我々の検討で低リスク群と比較して高リスク群において有意な差があったものは、検診時低年齢(p=0.0084)・失神既往有(p=0.0012)・最終評価時異常Q波有(p=0.0031)・検診時心筋肥厚無(p=0.0148)であった。
【考察】今回の検討では、突然死リスク因子として以前より知られている失神既往に加えて、検診時に心筋肥厚が認められない症例でも心筋症に特異的な心電図異常が低年齢で出現している症例は、突然死のリスクが高い可能性が示唆された。