The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

自律神経・神経体液因子・心肺機能

一般口演16(I-OR16)
自律神経・神経体液因子・心肺機能

Thu. Jul 5, 2018 9:30 AM - 10:10 AM 第6会場 (411+412)

座長:齋木 宏文(北里大学 小児科学講座)
座長:檜垣 高史(愛媛大学大学院医学系研究科 地域小児・周産期学)

[I-OR16-02] 先天性心疾患患者の糖負荷時血清カリウム動態とその臨床的意義

大内 秀雄, 根岸 潤, 岩朝 徹, 坂口 平馬, 黒嵜 健一 (国立循環器病研究センター 小児循環器科)

Keywords:低カリウム, インスリン抵抗性, 予後

【背景】低カリウム(K≦3.5 meq/L)血症は様々な原因で生じ不整脈や耐糖能異常の原因となる。【目的】思春期から成人先天性心疾患患者(CHD)での空腹時低K血症の頻度と糖代謝異常との関連およびこれらの心不全病態との関連を明らかにすること。【方法と結果】当院で経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)時に血清Kを測定し得たCHD患者連続336例(25±9歳、NYHAクラスはI、220例、II、85例、III26例)と対照12例(C:26±6歳)を対象とした。空腹時KはNYHAクラス、BNP、レニン活性(PRA)、アルドステロン濃度(Ald)、利尿剤投与量(DU)と関連し、DUとAldがKを独立に規定した(p<0.05)。OGTT中のKはC群で不変であったが、CHD群では低下し(p<0.0001)、低Kの頻度は負荷前の3%から60分後19%に増加した。OGTT早期低下は負荷前K、血清ノルエネフリン濃度(NE)、インスリン(IRI)増加と関連し、いずれも独立規定因子であった(p<0.001)。OGTT中に低Kとなった症例は138例(41%)で、経過観察中の入院関連事故の頻度が1.7倍高かった(p<0.01)。【結論】神経体液性因子賦活を伴うCHD患者では対照と異なりインスリン抵抗性に伴う食後低K血症が予後悪化の一因であることが示唆される。