The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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パネルディスカッション

パネルディスカッション2(I-PD02)
胎児治療最前線:薬物治療/カテーテル治療

Thu. Jul 5, 2018 4:00 PM - 5:30 PM 第1会場 (メインホール)

座長:石井 陽一郎(大阪母子医療センター 小児循環器科)
座長:前野 泰樹(聖マリア病院 新生児科)

[I-PD02-02] 重症大動脈弁狭窄症に対する胎児治療:早期安全性試験

小野 博1, 林 泰佑1, 和田 誠司2, 左合 治彦2, 賀藤 均1 (1.国立成育医療研究センター 循環器科, 2.国立成育医療研究センター 周産期母性診療センター)

Keywords:fetal cardiac intervention, critical aortic stenosis, hypoplastic left heart syndrome

本邦最初の胎児心臓病に対する胎児治療の準備がほぼ完了した。国立成育医療研究センターおよび日本小児循環器学会倫理委員会の承認を得た。日本胎児心臓病学会の協力で、本治療を開始する予定である。現在は臨床研究法に則った、臨床研究審査委員会の審査待ちである。症例発生後、速やかに治療まで進むことができるように、そのシステムを構築した。胎児適応基準は、ボストン小児病院の適応基準に準じる。以下に概要を示す。【試験デザイン】多施設単群安全性試験【対象疾患】胎児重症大動脈弁狭窄症【施行手技】超音波ガイド下胎児大動脈弁形成術。卵円孔に対する介入は行わない。【症例数】3年間で10例【適応】妊娠22週0日~31週6日、適応疾患は重症大動脈弁狭窄症で、かつ左心室が小さくなっていない症例。ボストン小児病院における重症大動脈弁狭窄症に対する胎児治療の適応基準に準じる。【プライマリエンドポイント】重篤な有害事象なくプロトコル治療を完遂した割合。【手順】症例発生後、その施設は速やかに、国立成育医療研究センターに連絡し、適応検討チームにより、その適応を審査する。基準を満たせば、母体を同センターに紹介し、インフォームドコンセントを実施し、速やかに治療を施行する。エコー装置、穿刺針、ガイドワイヤー、バルーンカテーテルは、適応外使用で、ほぼ既存の器材を使用する。治療後は各地域の協力病院で経過観察、出生後の治療を継続する。【考察】日本胎児心臓病学会の胎児心エコー登録システムによると、2015-2017年で、本研究の対象となる可能性がある、生後32週未満で診断された重症大動脈弁狭窄症は31例、左心低形成症候群は324例であった。このうち何例が適応基準を満たすかは不明であるが、本研究を進行させるためには、本学会員の協力が不可欠である。