[I-S02-04] 先天性心疾患患者の呼吸不全/肺障害を合併するECMOについて
ECMO(Extracorporeal membrane oxygenation)はその導入の理由により循環ECMO、呼吸ECMOと分類される。しかし、先天性心疾患を有する場合は、呼吸と循環の要素が相互に影響し、一概にどちらか一方が原因と判断できないことも多い。
当施設では2008年1月から2017年12月の期間に先天性心疾患を有するECMO装着症例は71症例であった。呼吸原性のショックに対するE-CPR1例を含む呼吸ECMOは6例のみで、65例は循環ECMOであった。循環ECMOのうち16例が肺循環の破綻に対する導入であった。ECMO離脱率、生存率はそれぞれ呼吸ECMOで66.7%、66.7%、循環ECMOの肺循環破綻症例で81.3%、43.7%、それ以外の循環ECMOで65.3%、34.7%であった。
呼吸原性の循環不全ではなくとも、先行する蘇生事象や手術、ECMO導入手技による侵襲、輸血、出血、感染、無気肺の形成などにより二次的に肺実質障害が進行し、心機能の回復が得られた後も、酸素化換気の点でECMO離脱が困難となる症例もある。当施設では、lung restが得られる最低限の人工呼吸管理、積極的な利尿あるいはCRRT(continuous renal replacement therapy)を用いた除水による肺実質の浮腫軽減、開胸ECMO中でも積極的に呼吸理学療法を導入することで離脱に向けた肺条件の改善に努めているが、手段に限界も感じている。具体例を提示しながら、数字には現れにくい実際のECMO中の呼吸循環管理の経験について述べる。
当施設では2008年1月から2017年12月の期間に先天性心疾患を有するECMO装着症例は71症例であった。呼吸原性のショックに対するE-CPR1例を含む呼吸ECMOは6例のみで、65例は循環ECMOであった。循環ECMOのうち16例が肺循環の破綻に対する導入であった。ECMO離脱率、生存率はそれぞれ呼吸ECMOで66.7%、66.7%、循環ECMOの肺循環破綻症例で81.3%、43.7%、それ以外の循環ECMOで65.3%、34.7%であった。
呼吸原性の循環不全ではなくとも、先行する蘇生事象や手術、ECMO導入手技による侵襲、輸血、出血、感染、無気肺の形成などにより二次的に肺実質障害が進行し、心機能の回復が得られた後も、酸素化換気の点でECMO離脱が困難となる症例もある。当施設では、lung restが得られる最低限の人工呼吸管理、積極的な利尿あるいはCRRT(continuous renal replacement therapy)を用いた除水による肺実質の浮腫軽減、開胸ECMO中でも積極的に呼吸理学療法を導入することで離脱に向けた肺条件の改善に努めているが、手段に限界も感じている。具体例を提示しながら、数字には現れにくい実際のECMO中の呼吸循環管理の経験について述べる。