[I-S05-04] 最新の画像技術を用いた先天性心疾患に対するカテーテルアブレーション
Keywords:不整脈, 3Dマッピングシステム
不整脈に対するカテーテルアブレーション治療は1990年代から行われるようになった.当時は透視による被曝時間は長く,複数の心内電位と透視画像から不整脈回路を頭の中で構築する必要があり,熟練を必要とした.その後,アブレーション治療は3D画像技術の進化により,より理解しやすいものへと進化を続けている.2000年に最初の3D mappingシステムであるCARTOが登場し,不整脈の興奮回路を三次元的に視覚化することが可能となった.カテーテルの位置情報を磁場を使ったセンサーで取得するため,被曝も軽減された.2008年には,CTによる3Dモデルを合成することでより精細な解剖を確認しながら不整脈回路を確認することが可能となった.2010年にはエコーでリアルタイムの画像を確認しながらカテーテルの位置を確認できるようになり,2014年には多点同時mappingが可能になった.2015年には透視画像とCARTO画像を合成するCARTO UNIVUが導入され,さらなる透視軽減が可能となった.2018年,CARTOにripple mapという技術が導入された.これまでのCARTO sytemは,心内電位の中の時相の一点を,その部位が興奮した時相として指定する必要があった.fragment potentialやdouble potential等複雑な電位はタグとして表現するしかなく,点と点の間は計算でグラデーション色をつけて表示するため,あくまでもvertialな画像になり,複雑な回路は表現できなかった.ripple mapは,その部位の心内電位を全周期分そのまま表示するシステムであり,人為的に介入する要素が全くない初めてのmapであり,先天性心疾患術後の複雑な回路をvertialな要素なく可視化することが可能となった.CARTO system以外にも様々な3D mapping systemが開発され,それぞれに特徴があり切磋琢磨して進化している.先天性心疾患の不整脈カテーテル治療における3D mappingシステムの果たす役割について考察する.