[I-YB01-03] 先天性心疾患術後二腔心患者のプレセプシン値は術後遠隔期の多臓器障害を反映する
Keywords:プレセプシン, 先天性心疾患術後, 細菌感染
【背景】プレセプシン(PSEP)は細菌由来のリポ多糖を認識するCD14のN末端アミノ酸であり、細菌貪食により産生されるため敗血症の早期診断マーカーとされる。フォンタン患者におけるPSEP高値は、心、肝、腎機能低下、高中心静脈圧(CVP)などフォンタン病態の重症度と関連することを昨年当学会にて報告した。今回、先天性心疾患術後二腔心(BVR)患者における非細菌感染時のPSEP値について検討した。
【方法】2017年1月から12月に入院した感染徴候を認めないBVR患者のうち、PSEPを測定した39人(5~53歳、中央値25.3歳、初回術後中央値21年、男性21人)を対象とした。PSEP値(pg/mL)と、背景因子、心不全指標(CVPや心係数(CI)、心室拡張末期容積係数(EDVI)、駆出率(EF))、BNP値、最大酸素摂取量(peakVO2)、肝機能不全の指標(ヒアルロン酸(HA))、アルブミン(Alb)値、クレアチニンクリアランス(CCr)、NYHA分類との関連を後方視的に検討した。
【結果】8人(21%)のPSEP値が敗血症診断のcut-offである500 pg/mL以上であった。log PSEPはCVP (r = 0.58)、LVEDVI(r = 0.44)、LVEF(r = -0.53)、RVEF(r = -0.61)、log BNP (r = 0.51)、peakVO2(r = -0.54)、HA (r = 0.70)、Alb (r = -0.62)、CCr (r = -0.63)、NYHA分類と相関した(p<0.05)。術後年数、CIは相関を認めなかった(p>0.1)。なお同時期にPSEP値を測定した非シャント未手術患者(n = 4)、チアノーゼ残存心(n = 3)、心筋症(n = 3)患者のうち、右室心筋症(CVP 13 mmHg)の1例のみPSEP高値(945 pg/mL)であった。
【考察・結論】先天性心疾患術後二腔心患者の中にもPSEP高値を呈する例が見られ、非細菌感染時にも関わらず自然免疫系の亢進が示唆された。PSEP高値は高CVPなど右室拡張不全を中心に、心、肝、腎機能低下など術後遠隔期における多臓器障害・病態の重症度を反映しており、今後予後との関連を考慮したい。
【方法】2017年1月から12月に入院した感染徴候を認めないBVR患者のうち、PSEPを測定した39人(5~53歳、中央値25.3歳、初回術後中央値21年、男性21人)を対象とした。PSEP値(pg/mL)と、背景因子、心不全指標(CVPや心係数(CI)、心室拡張末期容積係数(EDVI)、駆出率(EF))、BNP値、最大酸素摂取量(peakVO2)、肝機能不全の指標(ヒアルロン酸(HA))、アルブミン(Alb)値、クレアチニンクリアランス(CCr)、NYHA分類との関連を後方視的に検討した。
【結果】8人(21%)のPSEP値が敗血症診断のcut-offである500 pg/mL以上であった。log PSEPはCVP (r = 0.58)、LVEDVI(r = 0.44)、LVEF(r = -0.53)、RVEF(r = -0.61)、log BNP (r = 0.51)、peakVO2(r = -0.54)、HA (r = 0.70)、Alb (r = -0.62)、CCr (r = -0.63)、NYHA分類と相関した(p<0.05)。術後年数、CIは相関を認めなかった(p>0.1)。なお同時期にPSEP値を測定した非シャント未手術患者(n = 4)、チアノーゼ残存心(n = 3)、心筋症(n = 3)患者のうち、右室心筋症(CVP 13 mmHg)の1例のみPSEP高値(945 pg/mL)であった。
【考察・結論】先天性心疾患術後二腔心患者の中にもPSEP高値を呈する例が見られ、非細菌感染時にも関わらず自然免疫系の亢進が示唆された。PSEP高値は高CVPなど右室拡張不全を中心に、心、肝、腎機能低下など術後遠隔期における多臓器障害・病態の重症度を反映しており、今後予後との関連を考慮したい。