The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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会長要望演題

会長要望演題02(I-YB02)
小児循環器領域の社会貢献・国際協力

Thu. Jul 5, 2018 5:30 PM - 6:30 PM 第5会場 (304)

座長:城戸 佐知子(兵庫県立こども病院 循環器内科)
座長:檜垣 高史(愛媛大学大学院医学系研究科 地域小児・周産期学)

[I-YB02-02] 患者と家族の全国応援活動「フォンタンの会」

権守 礼美1, 吉田 佳織2, 森脇 弘子3, 城戸 佐知子5, 猪飼 秋夫6, 紙田 恵治4, 麻生 俊英7, 岸本 英文8 (1.榊原記念病院 看護部, 2.大阪母子医療センター 看護部, 3.市立豊中病院 看護部, 4.患者, 5.兵庫県立こども病院 循環器内科, 6.静岡県立こども病院 心臓血管外科, 7.神奈川県立こども医療センター 心臓血管外科, 8.元 大阪母子医療センター 心臓血管外科)

Keywords:フォンタン手術, 患者家族, 支援

【背景】フォンタン手術は、単心室症を含む複雑心疾患に対する機能的修復術であり、手術後の患者や家族は予期せぬ事態に不安を抱き、消極的に過ごしていることも少なくなかった。私たちは、フォンタン手術後やこれからフォンタン手術を受けることとなる患者と家族を対象に、「何ができない」ではなく「何ができる」「こうすればできる」という視点で、2011年より、患者と家族の応援活動を開始した。【活動の実際】複数施設の医師・看護師、患者で協働して、6年間で、全国10か所(大阪・神奈川・京都・愛媛・広島・長野・鹿児島・金沢・岩手・島根)で、「フォンタンの会」を開催した。各地の医師や患者会が中心なり開催し、内容は、(1)医師による病気やフォンタン循環の説明と適度な運動についての講義(2)看護師による成長や自己管理についての講義(3)患者や家族からの体験談(4)キッズヨガの実施等である。毎回100名前後の患者と家族の参加があり、ニーズは高かった。【活動の効果】1.患者家族からは、「制限をするのではなく、限界を知ることが大切」「日常生活や気持ちの持ち方について話を聞けてよかった」「大きくなってそれぞれの道を進んでいる姿がみることができよかった」との声があった。また、患者と家族が病気について話す機会が増えたという調査結果もあり、会が患者家族の学びだけでなく交流の場ともなった。2.私たち医療者にとっても、多くの患者や家族の生活や思いを知る機会となることや、様々な施設や職種での意見交換の場ともなり、普段の臨床に活かせる学びとなっている。【まとめ】胎児診断が進み、情報化社会となった今、より患者家族が不安を抱きやすい状況にある。心理発達、就職や妊娠・出産の課題がある中、患者家族が病気と向き合い、自身の力を発揮できるよう、私たちは施設という壁を超えて、今後も会を継続し、支援していきたい。