[II-MOR11-03] 心臓MRIが術式選択に有用であったUnblanced AVSDの10カ月女児例
Keywords:Unblanced AVSD, one and one half repair, MRI
【背景】心室サイズが不均衡な完全房室中隔欠損(Unblanced AVSD)の外科治療は、基本的に2心室修復(BVR)または1心室修復(UVR)に分かれる。右室容積がboderlineの症例では1.5心室修復(one and one half repair)が選択されることがあるが、いずれにおいても、一定の基準はなく、術式選択には慎重な検討が必要である。【目的】 心臓MRI(CMR)を用いて血行動態を評価し、1.5心室修復を施行した症例について検討する。【症例】10カ月、女児。出生時、右室容積が小さくUVRの方針とした。2カ月時にBT shunt + PA Banding施行。生後8カ月時、Glenn術前評価を施行した。心エコー検査では右側房室弁径8.6mm(60%N)、左側房室弁径20.6mm(140%N)、右側/左側房室弁面積比AVVIは0.45、心臓カテーテル検査ではRVEDV 10.2ml(60%N)、LVEDV 39.6ml(200%N)とboder lineであり、追加評価のために心臓MRI (CINE MRI、Q-flow)を施行した。RVEDV 12.5ml(78%N)、RVESV 6.6ml(37%N)、 RVEF 46%、AAo 19.9ml/拍、PA 5.9ml/拍、SVC 4.3ml/拍、IVC 3.0m/拍lの結果を得てone and one half repairを施行した。【結果】術後はチアノーゼの改善を認め、静脈圧の上昇なく経過している。今後、成長に伴いIVC flowが増えることで、右室容積の増加が得られれば、BVRへのConversionの可能性がある。【結語】unbalanced AVSD(small RV)の治療戦略として、BVRを目指す中継地点としてのone and one half repairが有効である可能性があり、血行動態を評価する上でCMRが有用なmodalityとなり得る。